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欧米為替見通し:ドル110円台を意識、クリントン氏の発言とG20への期待後退で

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今日の欧米外為市場では、ドル・円は弱含む展開となりそうだ。米大統領選の民主党有力候補、ヒラリー・クリントン前国務長官がドル高に否定的な見解を示したほか、週末の20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議で市場安定化に向けた各国間合意への期待が後退しているためだ。ドル・円は目先も下落基調が続く見通しで、111円を割り込む展開を想定する。

報道によると、クリントン氏は米紙に寄稿し、日本や中国などアジア諸国が過去数年にわたり為替操作で人為的に米国の輸出価格を抑えてきたと名指しで批判。「新たな監視体制や透明性確保などにより、この不公平な慣行(為替操作)と戦う」との方針を示した。クリントン氏は民主党の指名候補選びでやや苦戦を強いられているため、この発言は国内産業重視の姿勢を強調した有権者へのアピールとみられる。ただ、米追加利上げ観測が後退していることから、大きなドル売り要因と市場では受け止められている。

また、26-27日に中国・上海で開催されるG20では「各国が足並みを揃えて市場の安定化に向けた姿勢が示されると思う」(邦銀関係者)と期待感は大きい。しかし、中国の元安誘導に対する米国の批判を無視して、中国金融当局はこのところ対ドル基準値を元安方向に設定するなど米中両国の関係にきしみがみられることから、参加国による協調的な取り組みに対する期待は徐々に薄れている。このため、市場センチメントの低下でドル売り・円買い地合いは続き、今月11日に付けた直近安値110円99銭が意識されそうだ。

【今日の欧米市場の予定】

・21:00 米・先週分MBA住宅ローン申請指数(前回:+8.2%)
・22:00 ラッカー米リッチモンド連銀総裁講演(金融政策と経済成長)
・23:45 米・2月サービス業PMI速報値(予想:53.5、1月:53.2)
・24:00 米・1月新築住宅販売件数(予想:52.0万戸、12月:54.4万戸)
・03:00 米財務省5年債入札(340億ドル)
・03:15 カプラン米ダラス連銀総裁講演(経済情勢と金融政策)



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