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米国株式市場見通し:大統領候補予備選が佳境を迎える

注目トピックス 市況・概況
10-12月GDP改定値やインフレ関連指標が予想を上振れたことで追加利上げ観測が急速に拡大しており、FF金利の先物取引から算出される利上げ確率は9月まで43%、11月は44%、12月は52%(26日時点)に上昇した。今週は月初となることから多数の経済指標が控えているが、予想を上回る強い内容となれば年内の追加利上げが意識され、相場の上値を抑える要因となりそうだ。

経済指標では、2月ISM製造業(1日)・非製造業(3日)景況指数、2月ADP雇用統計(2日)、1月製造業・耐久財受注(3日)、2月雇用統計(4日)、1月貿易収支(4日)などが予定されている。雇用統計は、失業率が4.9%と前月比横ばい、非農業部門雇用者数は前月比19万人増が予想されている。2日にはFOMCでの基礎資料となる地区連銀経済報告(ベージュブック)の発表も予定されている。

2日に倉庫型卸売のコストコ・ホールセール (COST) の決算発表が予定されている。1月の小売売上高がプラスに改善したほか、個人支出も予想を上振れたものの、ターゲットやロウズなど小売各社の決算は予想を下振れており、業績不振の店舗を閉鎖する動きも散見される。取扱商品が多く、売上税を徴収されない場合もあるネット販売が台頭する一方で、最低賃金の引き上げなどが重しとなり、雇用市場の改善やガソリン価格の低下が必ずしも業績に繋がっていないようだ。コストコは会費制でビジネスモデルが一般的な小売企業とはやや異なるものの、軟調決算が予想される。

原油相場は主要産油国が3月半ばに会合を開くとの報道を受け、持ち直しの動きがみられたが、減産や増産凍結に対するサウジアラビアやイランの反応は消極的で主要産油国による提案が原油相場の上昇に繋がるか懐疑的な見方が広がっている。エネルギー関連企業では原油下落の長期化を受けて人員削減や資産売却など業界縮小の動きが加速しているが、一部の著名投資家やヘッジファンドの間では原油価格の底入れが近い、又はエネルギー関連株は割安との見方も広がっており、買い場となりそうだ。

3月1日はスーパーチューズデーと呼ばれ、多くの州で共和党及び民主党の党員集会が開催され、大統領候補を選ぶ予備選挙が行われる。トランプ氏が一歩リードしているものの混戦の続く共和党への注目度が高い。政治家出身ではなく歯に衣を着せない発言が人気のトランプ氏だが、将来の政策や言動の不透明感を危惧する見方もある。また民主党も州立大学の無料化や富裕層・ウォール街への課税強化を標榜するサンダース氏がクリントン氏を追い上げており、スーパーチューズデーで躍進するようであれば相場の不安材料となるだろう。

(Horiko Capital Management LLC)




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