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為替週間見通し:ドル・円は下げ渋りか、リスク回避の円買い・ドル売り縮小も

注目トピックス 市況・概況
■予想を上回る米経済指標を受けてドルは114円まで上昇

先週のドル・円は上昇。先週発表された1月米耐久財受注、10-12月期米国内総生産(GDP)改定値、1月米PCE価格コア指数はいずれも市場予想を上回り、早期追加利上げ観測が再浮上したことが要因。雇用情勢の改善も期待されていることから、米経済は年内複数回の利上げ実施に適応できるとの見方が広がった。

また、NY原油先物は週間ベースで上昇し、原油安に対する市場の過剰な警戒感が低下したこともドル買い材料となった。26日のNY原油先物は反落したが、産油国による生産水準維持への期待は高まっており、原油安を嫌気したリスク回避的な円買いは大幅に縮小した。ドルは114円00銭まで上昇し、113円99銭でこの週の取引を終えた。取引レンジは111円04銭-114円00銭。

■ドル・円は下げ渋りか、リスク回避の円買い・ドル売り縮小も

今週のドル・円は下げ渋りか。米インフレ鈍化に対する市場の懸念は大幅に後退したことによって早期追加利上げ観測が再浮上した。原油安に対する過剰な警戒感も低下しており、リスク回避的な円買い・ドル売りは縮小する可能性がある。

26-27日に開かれた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議では、外国為替相場の過度な変動をもたらす通貨安競争を避けることが確認された。日本銀行による早期追加緩和への思惑はやや後退するとの見方はあるが、日米金利差のゆるやかな拡大を見込んだ投資家のドル買い意欲が大幅に低下することはないとみられる。

【G20は資金流出規制で合意:リスク選好的なドル買い・円売り材料に】

G20財務相・中央銀行総裁会議では、通貨安競争を避けることが確認されたが、新興国市場からの急激な資金流出を抑えるため、規制する方策を検討することも合意された。中国からの資金流出が問題視されているが、資金流出を規制することで中国経済の持続的な成長への期待は再び高まるとの見方がある。

世界経済の成長を促進させるための対策としても有効であるとみられており、金融市場の不確実性はある程度低下する見込み。金融市場の安定化はリスク選好的なドル買い・円売りの材料となる可能性がある。

【米2月雇用統計】(3月4日発表予定)

非農業部門雇用者数の市場予想は前月比+19.5万人で1月実績の+15.1万人を大きく上回る可能性があるため、指標発表前にドルを積極的に売り込みづらい状況となりそうだ。非農業部門雇用者数が予想とおおむね一致した場合、早期追加利上げへの期待が高まり、ドル買いが強まる可能性が高い。

予想レンジ:112円50銭-115円50銭




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