欧米為替見通し:ドルは弱含みか、上海株の軟調に警戒感
[16/02/29]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 市況・概況
今日の欧米外為市場では、ドル・円は弱含む展開となりそうだ。26-27日に中国・上海で開催された財務相・中央銀行総裁会議(G20)は市場の混乱を収束させる決定打とならなかったとの見方から、警戒感による円買い基調に振れる見通し。ただ、一部で米追加利上げ観測が再燃し、ドル・円は押し目買いが入りやすいため極端な下げは想定しにくい。
上海で開催されたG20では、「金融政策は引き続き経済活動を支援し物価安定を確かなものにするが、金融政策だけでは均衡成長は実現できない」との共同声明を採択。各国は世界経済の回復と金融市場の安定に向け、全ての政策手段を動員するとのタンスを打ち出した。しかし、29日は上海総合指数が軟調となるなど、市場の安定化につながっていないと市場では指摘されている。このため、ドル・円は警戒による売りに振れそうだ。
一方、26日発表の米2015年10-12月期国内総生産(GDP)は年率換算で前期比+1.0%となり、速報値の+0.7%から上方修正された。市場予想は+0.4%への下方修正だったためポジティブ・サプライズとなった。これを受け、米連邦準備制度理事会(FRB)が3月15-16日に開催する連邦公開市場委員会(FOMC)で追加利上げに踏み切るとの観測が一部で再燃。3月4日発表の米2月雇用統計を見極める必要はあるが、GDP改定値の上方修正を意識したドルの押し目買いは見込まれれよう。このため、ドル・円は極端な下落は避けられると予想する。
【今日の欧米市場の予定】
・19:00 ユーロ圏・2月消費者物価指数速報値(前年比予想:0.0%、1月:+0.3%)
・23:45 米・2月シカゴ購買部協会景気指数(予想:52.5、1月:55.6)
・24:00 米・1月中古住宅成約指数(前月比予想:+0.6%、12月:+0.1%)
・24:30 米・2月ダラス連銀製造業活動指数(予想:-31.0、1月:-34.6)
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