後場に注目すべき3つのポイント〜急速に下げ渋る格好だが慎重姿勢は崩せない状況
[16/04/08]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 市況・概況
8日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
・急速に下げ渋る格好だが慎重姿勢は崩せない状況
・ドル・円は108円63銭付近、ドル買戻し、前日円買いの巻き戻し
・値下がり寄与トップはファーストリテ、日経平均を約136円押し下げ
■急速に下げ渋る格好だが慎重姿勢は崩せない状況
日経平均は反落。88.21円安の15661.63円(出来高概算11億2000万株)で前場の取引を終えている。7日の米国市場ではNYダウが170ドル超の下落となった。原油相場の下げが嫌気され売りが先行し、その後も為替相場で急激にドル安が進行したことで、世界経済の後退懸念が高まり、終日軟調な展開となった。シカゴ日経225先物清算値は大阪比285円安の15445円となり、これにさや寄せする格好となった。
ただし、オプションSQに絡んだ商いが買い越しだったほか、財務相による「為替相場は安定しているのが望ましい」との口先介入もあり、15500円を上回っての推移に。その後一時15471.80円と15500円を割り込む場面もみられたが、前引けにかけては下げ幅を縮めている。東証1部の騰落銘柄は、値下がり数が1000を超えており、全体の過半数を占めている。セクターでは食料品、水産農林、その他製品、機械、パルプ紙などがしっかり。半面、鉱業、海運、輸送用機器、ゴム製品、不動産、建設などが冴えない。
日経平均は一時15500円を下回る場面がみられたが、その後は15700円に接近するなど、下げ渋りをみせている。円相場がやや円安に振れて推移していることで急速に下げ渋る格好だが、このところは後場に入ると弱含む場面もみられているため、慎重姿勢は崩せない状況であろう。
とはいえ、米追加利上げへの観測が後退しているほか、前日には安倍首相による為替介入への慎重姿勢なども伝わっていたこともあり、下振れへの警戒感は強まっていたと考えられる。市場は意外と落ち着きをみせていることもあり、日経平均の15500円処を上回って推移している局面においては、プラス圏で推移している銘柄等に短期的な値幅取り狙いの資金が入りやすいだろう。また、中小型株などは一気に需給整理が進む可能性もあるほか、テーマ株などはこれまでの調整も踏まえて、目先底を意識した押し目拾いも意識しておきたいところである。
(株式部長 村瀬智一)
■ドル・円は108円63銭付近、ドル買戻し、前日円買いの巻き戻し
8日午前の東京外為市場で、ドル・円は買戻しが強まり、一時108円99銭まで値を戻した。
ドル・円は日経平均株価の下げ幅縮小を背景に国内実需筋によるドルの買戻しが強まり、朝方付けた108円08銭から昼前に一時108円99銭まで切り返した。前日の円買いを巻き戻す値動き。ただ、ランチタイムの日経平均先物は値を戻しつつあるが、上海総合指数は逆に軟調地合いとなっているため、ドル・円は午後の取引でさらに上昇する展開は想定しにくい。
ここまでドル・円は108円08銭から108円99銭、ユーロ・ドルは1.1359ドルから1.1379ドル、ユーロ・円は122円99銭から123円86銭で推移。
13時04分時点のドル・円は108円63銭、ユーロ・円は123円47銭、ポンド・円は152円79銭、豪ドル・円は81円82銭で推移している。
(為替・債券アナリスト 吉池威)
■後場のチェック銘柄
・値下がり寄与トップはファーストリテ<9983>、日経平均約136円押し下げ
・キユーピー<2809>のレーティング格上げ
☆後場の注目スケジュール☆
<国内>
・15:00 3月景気ウォッチャー調査・現状(予想:45.5、2月:44.6)
<海外>
・14:45 スイス・3月失業率(予想:3.5%、2月:3.4%)
・15:00 独・2月貿易収支(予想:+180億ユーロ、1月:+134億ユーロ)
・15:00 独・2月経常収支(予想:+165億ユーロ、1月:+132億ユーロ)
(12時頃作成)
<WA>
・急速に下げ渋る格好だが慎重姿勢は崩せない状況
・ドル・円は108円63銭付近、ドル買戻し、前日円買いの巻き戻し
・値下がり寄与トップはファーストリテ、日経平均を約136円押し下げ
■急速に下げ渋る格好だが慎重姿勢は崩せない状況
日経平均は反落。88.21円安の15661.63円(出来高概算11億2000万株)で前場の取引を終えている。7日の米国市場ではNYダウが170ドル超の下落となった。原油相場の下げが嫌気され売りが先行し、その後も為替相場で急激にドル安が進行したことで、世界経済の後退懸念が高まり、終日軟調な展開となった。シカゴ日経225先物清算値は大阪比285円安の15445円となり、これにさや寄せする格好となった。
ただし、オプションSQに絡んだ商いが買い越しだったほか、財務相による「為替相場は安定しているのが望ましい」との口先介入もあり、15500円を上回っての推移に。その後一時15471.80円と15500円を割り込む場面もみられたが、前引けにかけては下げ幅を縮めている。東証1部の騰落銘柄は、値下がり数が1000を超えており、全体の過半数を占めている。セクターでは食料品、水産農林、その他製品、機械、パルプ紙などがしっかり。半面、鉱業、海運、輸送用機器、ゴム製品、不動産、建設などが冴えない。
日経平均は一時15500円を下回る場面がみられたが、その後は15700円に接近するなど、下げ渋りをみせている。円相場がやや円安に振れて推移していることで急速に下げ渋る格好だが、このところは後場に入ると弱含む場面もみられているため、慎重姿勢は崩せない状況であろう。
とはいえ、米追加利上げへの観測が後退しているほか、前日には安倍首相による為替介入への慎重姿勢なども伝わっていたこともあり、下振れへの警戒感は強まっていたと考えられる。市場は意外と落ち着きをみせていることもあり、日経平均の15500円処を上回って推移している局面においては、プラス圏で推移している銘柄等に短期的な値幅取り狙いの資金が入りやすいだろう。また、中小型株などは一気に需給整理が進む可能性もあるほか、テーマ株などはこれまでの調整も踏まえて、目先底を意識した押し目拾いも意識しておきたいところである。
(株式部長 村瀬智一)
■ドル・円は108円63銭付近、ドル買戻し、前日円買いの巻き戻し
8日午前の東京外為市場で、ドル・円は買戻しが強まり、一時108円99銭まで値を戻した。
ドル・円は日経平均株価の下げ幅縮小を背景に国内実需筋によるドルの買戻しが強まり、朝方付けた108円08銭から昼前に一時108円99銭まで切り返した。前日の円買いを巻き戻す値動き。ただ、ランチタイムの日経平均先物は値を戻しつつあるが、上海総合指数は逆に軟調地合いとなっているため、ドル・円は午後の取引でさらに上昇する展開は想定しにくい。
ここまでドル・円は108円08銭から108円99銭、ユーロ・ドルは1.1359ドルから1.1379ドル、ユーロ・円は122円99銭から123円86銭で推移。
13時04分時点のドル・円は108円63銭、ユーロ・円は123円47銭、ポンド・円は152円79銭、豪ドル・円は81円82銭で推移している。
(為替・債券アナリスト 吉池威)
■後場のチェック銘柄
・値下がり寄与トップはファーストリテ<9983>、日経平均約136円押し下げ
・キユーピー<2809>のレーティング格上げ
☆後場の注目スケジュール☆
<国内>
・15:00 3月景気ウォッチャー調査・現状(予想:45.5、2月:44.6)
<海外>
・14:45 スイス・3月失業率(予想:3.5%、2月:3.4%)
・15:00 独・2月貿易収支(予想:+180億ユーロ、1月:+134億ユーロ)
・15:00 独・2月経常収支(予想:+165億ユーロ、1月:+132億ユーロ)
(12時頃作成)
<WA>