来週の相場で注目すべき3つのポイント:米主要企業決算、熊本地震、追加緩和
[16/04/18]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 市況・概況
■株式相場見通し
予想レンジ:上限17200-下限116400円
来週は今週の大幅上昇の反動もあり、利食い優勢の相場展開になりそうだ。G20を受けた通貨の落ち着きがみられるかが注目されるほか、産油国会合での合意がみられるかが相場の変動要因となろう。
G20では、為替に関し緊密に連携するとの合意を維持し、通貨の競争的な切り下げを回避するとのコミットメントを再確認した。前回2月の上海G20から通貨安競争の回避を強めているが、内容はほぼ変わらずであるため、足元の円高基調を修正するまでにはならないであろう。
「パナマ文書」の問題を受けて、資金の流れの監視を強め、新たな基準で非協力国を特定し制裁も検討する。一方で、英国で6月に行われるEUからの離脱の是非を問う国民投票に向けて、離脱、残留派双方の正式な運動が15日から始まった。キャメロン首相はタックスヘイブンへの投資が明るみにでたことから、国民投票の行方にも影響するとみられており、今後、金融市場への大きな波乱要因につながるとみられる。
原油相場については、カタール・ドーハでの産油国会議を控えた巻き戻しの動きが一巡していたが、イベント終了後は改めて目先筋のショートポジションを警戒する必要がありそうである。また、米国では決算シーズン入りとなるなか、JPモルガンやバンカメなど大手行の弱い決算が目立つ。今週はゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレーなどの大手行の決算が予定されていることもあり、決算内容を受けた株価動向に関心が集まろう。そのほか、インテル、アルファベットなど主要企業の決算への注目度も高そうだ。
さらに、熊本県を震源とする最大震度7の強い地震発生が海外投資家の投資姿勢を神経質にさせそうである。14日の地震発生から16日に入っても強い余震が相次いでいる。且つ、地震発生地域に広がりがみられており、16日正午までに震度3以上を観測する地震が熊本県と大分県で合わせて70回以上起きている。最初の地震よりも余震による家屋損壊などの被害が拡大しており、状況が明らかになるにつれて、様子見要因になりやすいと考えられる。
日経平均は先週の上昇で25日線を突破した。価格帯別出来高では商いの薄いところであり、今後はこの25日線を支持線に、上値抵抗である16800-17200円処を明確に上放れてくるかを見極めたいところ。G20、産油国会合のイベント通過によって改めて売り直されることも考えられるため、16800円処の上値抵抗がより強く感じられる可能性がある。
物色の流れとしては、前週までのインデックスに絡んだ商いから、決算等も次第に意識されてくることから、個別対応になりそうだ。また、今回の熊本地震を背景に、インフラ修復に向けた建設セクターへの関心が集まりやすい。その他、被災地での民泊活用やライフラインが寸断されるなかでのツイッターやフェイスブックといったSNS活用、災害調査に向けたドローン活用などにより、これらに関連する企業へも投資家の関心が向かいやすい。
■為替市場見通し
来週のドル・円は日米の重要経済指標の発表は予定されていないことから、欧米、アジア諸国の株価動向や要人(米金融当局者)発言が手掛かりとなりそうだ。主要国の株高はリスク選好的な円売りを促す要因となる。また、熊本地方で連続発生した地震の影響を考慮して、日本銀行が4月27-28日の金融政策決定会合で追加緩和を実施するとの思惑が浮上している。
ただし、市場関係者の間では米国の4月利上げの可能性は極めて低いとの見方が広がっており、ドル・円相場が円安方向に振れる局面では、短期筋や顧客筋のドル売りが増えるとの声が聞かれている。日米の金融政策をめぐる思惑でドル・円の取引では売買が交錯する状態がしばらく続く可能性がある。
なお、14-15日に開かれた20カ国財務相・中央銀行総裁会議(G20)では「為替に関し緊密に連携するとの合意を維持し、通貨の競争的な切り下げを回避する」とのコミットメントが再確認された。日本政府・日銀による円売り介入がただちに実施されることはないとみられているが、為替に関するコミットメントは想定の範囲内であり、リスク回避的な円買いが一段と強まる可能性は低いとみられている。
■来週の注目スケジュール
4月18日(月):中住宅価格指数、米NAHB住宅市場指数、モルガン・スタンレー決算など
4月19日(火):百貨店売上高、米住宅着工件数、ゴールドマン・サックス決算など
4月20日(水):貿易収支、訪日外国人客数、コンビニ売上高など
4月21日(木):スーパー売上高、米新規失業保険申請件数、アルファベット決算など
4月22日(金):独製造業PMI、ユーロ圏製造業PMI、米製造業PMIなど
<TM>
予想レンジ:上限17200-下限116400円
来週は今週の大幅上昇の反動もあり、利食い優勢の相場展開になりそうだ。G20を受けた通貨の落ち着きがみられるかが注目されるほか、産油国会合での合意がみられるかが相場の変動要因となろう。
G20では、為替に関し緊密に連携するとの合意を維持し、通貨の競争的な切り下げを回避するとのコミットメントを再確認した。前回2月の上海G20から通貨安競争の回避を強めているが、内容はほぼ変わらずであるため、足元の円高基調を修正するまでにはならないであろう。
「パナマ文書」の問題を受けて、資金の流れの監視を強め、新たな基準で非協力国を特定し制裁も検討する。一方で、英国で6月に行われるEUからの離脱の是非を問う国民投票に向けて、離脱、残留派双方の正式な運動が15日から始まった。キャメロン首相はタックスヘイブンへの投資が明るみにでたことから、国民投票の行方にも影響するとみられており、今後、金融市場への大きな波乱要因につながるとみられる。
原油相場については、カタール・ドーハでの産油国会議を控えた巻き戻しの動きが一巡していたが、イベント終了後は改めて目先筋のショートポジションを警戒する必要がありそうである。また、米国では決算シーズン入りとなるなか、JPモルガンやバンカメなど大手行の弱い決算が目立つ。今週はゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレーなどの大手行の決算が予定されていることもあり、決算内容を受けた株価動向に関心が集まろう。そのほか、インテル、アルファベットなど主要企業の決算への注目度も高そうだ。
さらに、熊本県を震源とする最大震度7の強い地震発生が海外投資家の投資姿勢を神経質にさせそうである。14日の地震発生から16日に入っても強い余震が相次いでいる。且つ、地震発生地域に広がりがみられており、16日正午までに震度3以上を観測する地震が熊本県と大分県で合わせて70回以上起きている。最初の地震よりも余震による家屋損壊などの被害が拡大しており、状況が明らかになるにつれて、様子見要因になりやすいと考えられる。
日経平均は先週の上昇で25日線を突破した。価格帯別出来高では商いの薄いところであり、今後はこの25日線を支持線に、上値抵抗である16800-17200円処を明確に上放れてくるかを見極めたいところ。G20、産油国会合のイベント通過によって改めて売り直されることも考えられるため、16800円処の上値抵抗がより強く感じられる可能性がある。
物色の流れとしては、前週までのインデックスに絡んだ商いから、決算等も次第に意識されてくることから、個別対応になりそうだ。また、今回の熊本地震を背景に、インフラ修復に向けた建設セクターへの関心が集まりやすい。その他、被災地での民泊活用やライフラインが寸断されるなかでのツイッターやフェイスブックといったSNS活用、災害調査に向けたドローン活用などにより、これらに関連する企業へも投資家の関心が向かいやすい。
■為替市場見通し
来週のドル・円は日米の重要経済指標の発表は予定されていないことから、欧米、アジア諸国の株価動向や要人(米金融当局者)発言が手掛かりとなりそうだ。主要国の株高はリスク選好的な円売りを促す要因となる。また、熊本地方で連続発生した地震の影響を考慮して、日本銀行が4月27-28日の金融政策決定会合で追加緩和を実施するとの思惑が浮上している。
ただし、市場関係者の間では米国の4月利上げの可能性は極めて低いとの見方が広がっており、ドル・円相場が円安方向に振れる局面では、短期筋や顧客筋のドル売りが増えるとの声が聞かれている。日米の金融政策をめぐる思惑でドル・円の取引では売買が交錯する状態がしばらく続く可能性がある。
なお、14-15日に開かれた20カ国財務相・中央銀行総裁会議(G20)では「為替に関し緊密に連携するとの合意を維持し、通貨の競争的な切り下げを回避する」とのコミットメントが再確認された。日本政府・日銀による円売り介入がただちに実施されることはないとみられているが、為替に関するコミットメントは想定の範囲内であり、リスク回避的な円買いが一段と強まる可能性は低いとみられている。
■来週の注目スケジュール
4月18日(月):中住宅価格指数、米NAHB住宅市場指数、モルガン・スタンレー決算など
4月19日(火):百貨店売上高、米住宅着工件数、ゴールドマン・サックス決算など
4月20日(水):貿易収支、訪日外国人客数、コンビニ売上高など
4月21日(木):スーパー売上高、米新規失業保険申請件数、アルファベット決算など
4月22日(金):独製造業PMI、ユーロ圏製造業PMI、米製造業PMIなど
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