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為替週間見通し:米5月雇用統計改善で6月利上げを織り込む展開に

注目トピックス 市況・概況
■ドル強含み、イエレンFRB議長が早期追加利上げを支持

先週のドル・円は強含み。日本の4月貿易黒字額は予想を上回ったことや5月マークイット米製造業PMIの低下を意識して、23日の欧米市場でドルは一時109円11銭まで下げた。ただ、米6月利上げを想定した投資家のドル買いは後退せず、ドルはまもなく反転。ダラス連銀総裁とフィラデルフィア連銀総裁は早期利上げに前向きな見解を表明したことから、ドルは一時110円45銭まで買われた。

26日発表の5月サービス業PMIが予想を下回ったことや、民間設備投資の先行指標となる4月の米耐久財コア受注(非国防資本財から航空機を除いた受注)は増加予想に反して減少したことから、ドルは一時109円53銭まで反落した。しかしながら、イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長は27日、「経済が上向けば数か月以内の利上げが適切」との見解を示したため、ドルは110円45銭まで反発し、110円24銭でこの週の取引を終えた。取引レンジ:109円11銭-110円45銭。

■米5月雇用統計改善で6月利上げを織り込む展開に

今週のドル・円は底堅い展開か。米早期追加利上げに向けて6月3日発表の5月雇用統計の内容が焦点となりそうだ。雇用情勢の改善が続いていることが示された場合、6月利上げを織り込む展開となり、ドル・円は112円近辺まで上昇する可能性がある。

ただ、原油高は一服しつつあることや、英国の欧州連合(EU)離脱の是非を問う国民投票(6月23日実施)の行方が意識されており、1ドル=111円台では短期筋などによる利益確定のドル売りが増えるとの声が聞かれている。また、国内輸出企業の間では110円台でドル売り予約を実行する動きが出始めており、ドルの過度な上昇は見込みにくい。

【米・4月PCEコア指数】(5月31日発表予定)
4月PCEコア指数は前月比+0.2%、前年比+1.6%と予想されている。前月比では3月実績の+0.1%を上回る見込みだが、前年比の伸びは3月実績と同水準になると予想されている。米連邦準備制度理事会(FRB)は追加利上げに向けてインフレ関連指標を重視しており、上昇率で3月実績を上回った場合はドル買い要因になる。

【米・5月雇用統計】(6月3日発表予定)
5月雇用統計は、失業率は4.9%、非農業部門雇用者数は前月比+16.0万人程度の増加が見込まれている。ただし、平均時給の伸びは前月比+0.3%から同比+0.2%に鈍化する見通し。4月実績との比較で雇用統計内容が改善したと市場が判断すれば、6月利上げの思惑がさらに強まりそうだが、非農業部門雇用者数が予想を下回った場合や平均時給の伸びが鈍化した場合、6月利上げの思惑はやや後退し、ポジション調整的なドル売りが広がりそうだ。

予想レンジ:109円00銭-112円00銭




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