国内株式市場見通し:政策期待高まるも米雇用統計に警戒感
[16/07/30]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 市況・概況
先週の日経平均は日米の金融イベントに振らされる展開となった。日銀の金融政策決定会合で追加緩和に踏み切るとの見方が8割を占めると伝えられるなか、週前半は過度な期待に対するポジション調整とみられる流れから売りが先行。為替の円高基調なども嫌気された。その後、経済対策の事業規模や景気対策で50年債の発行を検討(その後、財務省理財局の見解として50年債検討の事実を否定)と報じられたほか、安倍首相による事業規模が28兆円と伝えられるなど、経済対策に関する報道にも振らされる展開だった。そして日銀会合の結果を控えた週末はさらに波乱含みの展開となった。
29日の日経平均は円相場が1ドル103円台への円高に振れるなか、16400円を割り込んで始まった。ただ、日銀会合の結果待ちの中で日中値幅は150円程度だった。しかし、お昼休みの間に大阪225先物や為替市場が荒い値動きとなるなか、午後の日経平均は16400円辺りから一気に16679.19円まで急伸し、その直後に16174.35円まで急落している。この間僅か5分程度であり、その後も16200円辺りと安値圏での推移のなか、大引けにかけプラスに転じていた。これまでの日銀会合では発表後に乱高下する展開が続いていたこともあり、思惑等が高まるなかで相当神経質になっていたようであり、想像以上に大きく振れていた。ただ、値動きが早いため、この変動を取りにいくのは容易でないだろう。
今週は8月2日に政府の経済対策が発表されるほか、3日に内閣改造が行われる。政策期待が高まる展開が意識されそうである。もっとも29日発表された米4-6月期のGDP成長率が市場予想を大幅に下回ったことから円相場は一時1ドル101円台をつけており、シカゴ日経225先物清算値は大阪比290円安の16320円と大きく下押している。そのため、週初は売りが先行する格好となり、政策期待から積極的な上値追いの流れも慎重にさせそうである。とはいえ、日米の金融イベントが通過したことにより、自律反発が意識されやすいところではある。
なお、経済対策の大枠が判明し、国と地方で7.5兆円程度の財政支出を行ってインフラ整備などを進めるほか、国が資金を貸し出す財政投融資などを活用し、事業規模を28.1兆円程度とする方向で最終的な調整を進めていると伝えられている。リニア中央新幹線の建設加速や大型クルーズ船が利用できる港の建設などインフラ整備として10.7兆円程度、熊本地震や東日本大震災からの復興などに3兆円程度を充てる方向であり、インフラ関連株へ関心が向かいやすい。
今週も多くの企業の決算発表が予定されている。足元で再び円高に振れている状況のなか、いったんは和らいでいた業績懸念が高まる可能性があり、アク抜け等を意識した先回り的な売買は限られよう。先週の中小型株の弱い動きをみても、個人主体の売買は材料等がある一部の銘柄に短期集中する流れであり、且つ、資金の逃げ足も速い。決算内容を見極めての日替わり物色に向かいや水であろう。
また、5日には米雇用統計の発表が予定されている。英国のEU離脱の影響が出てくるかが注目されており、予想以上に弱い結果ともなれば、再び利上げ観測が後退する格好となり、為替市場での円高に向かわせよう。さらに、5日からリオ五輪が開幕するため、市場参加者の関心も離れそうである。経済指標では1日に7月の中国製造業PMI、非製造業PMI、財新製造業PMIのほか、7月の米ISM製造業景況指数が発表される。3日に金融政策決定会合の議事要旨(6月15、16日分)が公表されるほか、米雇用統計の前哨戦となる7月のADP雇用統計やISM非製造業景況指数、4日には英中銀が金融政策を決定する。なお、5日の米雇用統計については、非農業部門雇用者数は+18.0万人(前回+28.7万人)と予想されている。
なお、日経平均は16000円が位置する25日線辺りが意識されてきているほか、一目均衡表では雲上限に沿った推移が続いている。ただ、この雲は16240円辺りまで切り下がりをみせてくるため、これに沿った調整をみせてくるようだと、7月半ばのリバウンド局面で空けているマド(15816.67-15956.91)辺りを埋めてくる展開が警戒されそうである。まずは雲上限を支持線とした反発が期待される。
<FA>
29日の日経平均は円相場が1ドル103円台への円高に振れるなか、16400円を割り込んで始まった。ただ、日銀会合の結果待ちの中で日中値幅は150円程度だった。しかし、お昼休みの間に大阪225先物や為替市場が荒い値動きとなるなか、午後の日経平均は16400円辺りから一気に16679.19円まで急伸し、その直後に16174.35円まで急落している。この間僅か5分程度であり、その後も16200円辺りと安値圏での推移のなか、大引けにかけプラスに転じていた。これまでの日銀会合では発表後に乱高下する展開が続いていたこともあり、思惑等が高まるなかで相当神経質になっていたようであり、想像以上に大きく振れていた。ただ、値動きが早いため、この変動を取りにいくのは容易でないだろう。
今週は8月2日に政府の経済対策が発表されるほか、3日に内閣改造が行われる。政策期待が高まる展開が意識されそうである。もっとも29日発表された米4-6月期のGDP成長率が市場予想を大幅に下回ったことから円相場は一時1ドル101円台をつけており、シカゴ日経225先物清算値は大阪比290円安の16320円と大きく下押している。そのため、週初は売りが先行する格好となり、政策期待から積極的な上値追いの流れも慎重にさせそうである。とはいえ、日米の金融イベントが通過したことにより、自律反発が意識されやすいところではある。
なお、経済対策の大枠が判明し、国と地方で7.5兆円程度の財政支出を行ってインフラ整備などを進めるほか、国が資金を貸し出す財政投融資などを活用し、事業規模を28.1兆円程度とする方向で最終的な調整を進めていると伝えられている。リニア中央新幹線の建設加速や大型クルーズ船が利用できる港の建設などインフラ整備として10.7兆円程度、熊本地震や東日本大震災からの復興などに3兆円程度を充てる方向であり、インフラ関連株へ関心が向かいやすい。
今週も多くの企業の決算発表が予定されている。足元で再び円高に振れている状況のなか、いったんは和らいでいた業績懸念が高まる可能性があり、アク抜け等を意識した先回り的な売買は限られよう。先週の中小型株の弱い動きをみても、個人主体の売買は材料等がある一部の銘柄に短期集中する流れであり、且つ、資金の逃げ足も速い。決算内容を見極めての日替わり物色に向かいや水であろう。
また、5日には米雇用統計の発表が予定されている。英国のEU離脱の影響が出てくるかが注目されており、予想以上に弱い結果ともなれば、再び利上げ観測が後退する格好となり、為替市場での円高に向かわせよう。さらに、5日からリオ五輪が開幕するため、市場参加者の関心も離れそうである。経済指標では1日に7月の中国製造業PMI、非製造業PMI、財新製造業PMIのほか、7月の米ISM製造業景況指数が発表される。3日に金融政策決定会合の議事要旨(6月15、16日分)が公表されるほか、米雇用統計の前哨戦となる7月のADP雇用統計やISM非製造業景況指数、4日には英中銀が金融政策を決定する。なお、5日の米雇用統計については、非農業部門雇用者数は+18.0万人(前回+28.7万人)と予想されている。
なお、日経平均は16000円が位置する25日線辺りが意識されてきているほか、一目均衡表では雲上限に沿った推移が続いている。ただ、この雲は16240円辺りまで切り下がりをみせてくるため、これに沿った調整をみせてくるようだと、7月半ばのリバウンド局面で空けているマド(15816.67-15956.91)辺りを埋めてくる展開が警戒されそうである。まずは雲上限を支持線とした反発が期待される。
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