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新興市場見通し:そーせいグループなど決算発表のピークだが関心は大型株に

注目トピックス 市況・概況
先週の新興市場では、週初こそ買いが先行したものの、その後軟調な展開となった。週明けは東証1部銘柄を中心とした「Pokemon GO」関連物色が一巡したことなどで、マザーズ銘柄に幕間つなぎ的な物色が向かった。しかし、マザーズ指数が25日線水準まで戻すと物色一巡感が意識されたほか、日銀による上場投資信託(ETF)買いのインパクトから日経平均や主力大型株に市場の関心が向かい、マザーズ銘柄は利益確定売りに押された。なお、週間の騰落率は、日経平均が-1.9%であったのに対して、マザーズ指数は-0.3%、日経ジャスダック平均は-0.9%だった。

個別では、マザーズ主力のそーせいグループ<4565>が週間で1.1%高、ミクシィ<2121>が同3.5%高、サイバーダイン<7779>が同3.1%高といずれも堅調だった。また、イー・ガーディアン<6050>が業績予想の上方修正や東証1部への昇格期待で活況となり上場来高値を更新した。その他マザーズ銘柄ではジェイリース<7187>やヨシムラ・フード・HD<2884>などが買われたが、全体的に伸びはさほど大きくなかった。反面、パートナーエージェント<6181>、イトクロ<6049>、キャリア<6198>などが下落した。ジャスダックでは、第1四半期の大幅増収増益が好感されたクルーズ<2138>が同12.0%高となる一方、市場予想を下回る通期見通しがマイナス視されたセプテーニ・HD<4293>は同22.5%安となった。セリア<2782>やデジタル・アドバタイジング・コンソーシアム<4281>も週間の下落率が2ケタに上った。その他ジャスダック銘柄では、極楽湯<2340>が第1四半期決算を受けて人気化し、ダルトン<7432>はイトーキ<7972>による株式公開買付けを受けて買付価格にサヤ寄せする展開となった。一方で日本ラッド<4736>はセプテーニ・HDとともに下げが目立った。

今週の新興市場は、引き続き低調推移となる可能性がある。新興市場の決算発表がピークを迎え、業績動向を手掛かりにした物色も見られるだろう。しかし、日銀によるETF買いのインパクトに市場の関心が集まるなか、大型株が選好されやすい状況が続くとみられる。ここまでに決算発表した新興市場の主力株で、材料出尽くし感や失望感からの売りが目立つ点も気になる。相対的に値動きの軽い好業績の小型株に物色が集中しやすいだろう。

今週は8月8日にハーモニック・ドライブ・システムズ<6324>、シノケングループ<8909>、9日に日本マクドナルドHD<2702>、じげん<3679>、エン・ジャパン<4849>、10日にFFRI<3692>、JIG-SAW<3914>、そーせいグループ、平田機工<6258>、サイバーダイン、12日にアカツキ<3932>、リプロセル<4978>、エボラブルアジア<6191>、フェローテック<6890>などが決算発表を予定している。そーせいグループは第1四半期の決算発表を予定しているが、17年3月期は製薬大手アラガンとの提携契約に基づく契約一時金などが収益を大きく押し上げる見込みとなっている。なお、前週末に発表されたミクシィの第1四半期決算は、営業利益が市場予想の220億円強に対し201億円(前年同期比17.3%減)で着地した。

IPO関連では、8月12日にデファクトスタンダード<3545>とベイカレント・コンサルティング<6532>の仮条件が発表される予定となっている。ブックビルディングはともに16日から。なお、先週は新規上場の発表がなかった。




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