欧米為替見通し:ドルは底堅い値動き、FRB議長発言を消化する展開
[16/08/29]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 市況・概況
今日の欧米外為市場では、ドル・円は底堅い値動きとなりそうだ。注目されていたイエレン米連邦公開市場委員会(FOMC)議長の26日の講演で利上げ方針が堅持されたことで、ドル買い・円売りが続く見通し。ただ、米国株の上昇が見込みにくいため、ドルの上昇は想定内にとどまるだろう。
イエレン議長は26日、米ワイオミング州ジャクソンホールで開催された金融フォーラムで講演し、足元で雇用が持ち直していることや今後も経済の拡大予想が見込まれるとして、利上げの論拠が「過去数カ月間で強まったと確信する」と述べた。フィッシャー副議長など他の当局者も引き締めに前向きな見解を示したことで、市場では早ければ9月実施もありうるとの期待が高まった。ただ、イエレン議長は、利上げは「段階的」が望ましいとも指摘。慎重な言い回しから判断すれば、引き続き12月実施がメーンシナリオではないか。
今晩の欧米市場では当局者によるタカ派的な発言を消化する展開となり、ドル買い・円売りが続きそうだ。ただ、21時半発表の7月個人消費支出(PCE)と同コアPCE価格指数は前月を下回ると予想されている。米国内総生産(GDP)の7割を占める個人消費の伸びの鈍化が示されれば、ドル買いを弱める材料となるかもしれない。ドル・円は26日海外市場で突き抜けた25日移動平均線が目先のサポートラインとなる可能性はある。一方で、米国株の堅調地合いが続かないと次のターゲットである一目均衡表基準線への到達は難しいだろう。
【今日の欧米市場の予定】
・21:30 米・7月個人所得(前月比予想:+0.4%、6月:+0.2%)
・21:30 米・7月個人消費支出(PCE)(前月比予想:+0.3%、6月:+0.4%)
・21:30 米・7月コアPCE価格指数(前年比予想:+1.5%、6月:+1.6%)
・23:30 米・8月ダラス連銀製造業活動指数(予想:-3.0、7月:-1.3)
・英サマーバンクホリデーでロンドン休場
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