欧米為替見通し:ドルは上値が重い、日銀のマイナス金利深掘り観測も
[16/08/30]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 市況・概況
今日の欧米外為市場では、ドル・円は上値の重い展開となりそうだ。ジャクソンホールでの米金融当局者によるタカ派的な発言を背景としたドル選好地合いは続く見通しだが、消費関連の経済指標が弱いとドル買いを弱める材料となろう。また、日銀のマイナス金利の深堀りに思惑が広がり目先の円高が意識されれば円売りフロー後退の可能性もあろう。
ジャクソンホールでの会合を経て米早期利上げ観測が再燃。8月ADP雇用統計や同米雇用統計の発表を控え動きづらいが、ドルが買われやすい地合いは続きそうだ。ただ、今晩は23時発表の米8月消費者信頼感指数が手がかりに上値が重くなるかもしれない。同指数は97.0と、7月の97.3からやや下振れが予想される。今月12日に発表されたミシガン消費者態度指数は90.4から26日の確報値では89.8に下方修正され、消費者マインドは強まっていないことが示された。今晩の消費者信頼感指数が弱いと、投資家はドル買いをちゅうちょするだろう。
一方、市場関係者の間では、日銀の黒田東彦総裁は総括的な検証を踏まえ9月の追加緩和策としてマイナス金利の深掘りを模索しているとの見方が広がり始めた。黒田総裁は27日のジャクソンホールでの討論会で、マイナス金利政策の効果を強調したうえで金利引き下げの限界には「まだかなりの距離がある」と述べた。
ただ、今年1月にマイナス金利政策を導入した際、金融機関の業績へのネガティブな影響が嫌気され、株安・円高に振れた経緯があり、9月会合に向け「日本株安・円高を織り込む必要がある」(市場筋)との声が聞かれる。日銀会合までは時間があるものの、足元で観測されている円売りフローは弱まるとみる。
【今日の欧米市場の予定】
・17:30 英・7月住宅ローン承認件数(予想:6.19万件、6月:6.48万件)
・21:00 独・8月消費者物価指数速報値(前年比予想:+0.5%、7月:+0.4%)
・21:30 カナダ・4-6月期経常収支(予想:-202.0億加ドル、1-3月期:+167.7億加ドル)・22:00 米・6月S&Pケース・シラー住宅価格指数(前年比予想:+5.10%、5月:+5.24%)
・23:00 米・8月消費者信頼感指数(予想:97.0、7月:97.3)
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