欧米為替見通し:ドル底堅い展開か、ADP雇用統計で9月利上げに思惑
[16/08/31]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 市況・概況
今日31日の欧米外為市場では、ドル・円は底堅い展開となりそうだ。ジャクソンホールでの米当局者によるタカ派的な見解を受け9月利上げ観測が広がるなか、金融政策に影響のある9月2日発表の8月雇用統計を先取りした買いが出る可能性はあろう。
イエレン連邦準備制度理事会(FRB)は26日の講演で利上げのタイミングを明確に示さなかったが、もともと「タカ派」ではないフィッシャー連邦準備制度理事会(FRB)副議長がジャクソンホール会議に合わせたテレビインタビューで「9月2日の雇用統計が我々の決定にとって重みを持つだろう」と述べ、9月利上げシナリオが現実味を増した。同議長は30日の別のテレビインタビューで新たに踏み込んだ発言は聞かれなかったものの「労働市場が完全雇用に極めて近い状態だ」との見解を示している。
こうした経緯から8月米雇用統計の前哨戦として、今晩は21時15分発表の8月ADP全米雇用報告が注目される。ADPは前月比+17.5万人と予想されている。7月の+17.9万人からはやや減少が見込まれるものの、想定内であれば8月雇用統計に先立ちドル買いが強まりそうだ。
もっとも、ドル・円は足元の上昇ペースが速いほか、9月の引き締めに懐疑的な見方が多いことを考慮すると、8月雇用統計が市場コンセンサス通りの内容になっても「マックス104円半ばまでしか上昇は見込めない」(邦銀筋)との声が聞かれる。その水準から逆算すれば、今晩のADPを受けた上値メドは103円後半が上限ではないか。
【今日の欧米市場の予定】
・15:00 独・7月小売売上高(前月比予想:+0.5%、6月:-0.1%)
・15:00 英・8月全国住宅価格指数(前月比予想:-0.2%、7月:+0.5%)
・16:15 エバンズ米シカゴ連銀総裁、ローゼングレン米ボストン連銀総裁講演(北京)
・16:55 独・8月失業率(予想:6.1%、7月:6.1%)
・18:00 ユーロ圏・7月失業率(予想:10.0%、6月:10.1%)
・18:00 ユーロ圏・8月消費者物価指数速報値(前年比予想:+0.3%、7月:+0.2%)
・20:00 米・MBA住宅ローン申請指数(先週)(前回:-2.1%)
・21:00 カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁講演
・21:00 南ア・7月貿易収支(予想:+80億ランド、6月:+125億ランド)
・21:15 米・8月ADP全米雇用報告(予想:+17.5万人、7月:+17.9万人)
・21:30 カナダ・6月GDP(前月比予想:+0.5%、5月:-0.6%)
・21:30 カナダ・4-6月期GDP(前期比年率予想:-1.5%、1-3月期:+2.4%)
・22:45 米・8月シカゴ購買部協会景気指数(予想:54.0、7月:55.8)
・23:00 米・7月中古住宅販売成約指数(前月比予想:+0.7%、6月:+0.2%)
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