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新興市場見通し:マザーズは出直り歩調強めるか、串カツ田中などIPOにも注目

注目トピックス 市況・概況
先週の新興市場では、特にマザーズ指数の上昇が目立った。日経平均が一時節目の17000円を回復したことも支援材料となり、これまでさえない展開が続いていたマザーズ銘柄にリバウンド期待が広がった。円安一服で主力大型株が手掛かり材料に乏しくなったことも、中小型株に物色を向かわせた。なお、週間の騰落率は、日経平均が+0.2%であったのに対して、マザーズ指数は+6.3%、日経ジャスダック平均は+0.8%だった。マザーズ指数は9月7日まで8日続伸した。

個別では、マザーズ時価総額上位のサイバーダイン<7779>が週間で2.4%安となる一方、そーせいグループ<4565>が同14.3%高、ミクシィ<2121>が同3.8%高と堅調だった。また、売買代金上位ではそーせいグループのほかイー・ガーディアン<6050>、CRI・ミドルウェア<3698>、シリコンスタジオ<3907>などが同2ケタの上昇率となった。「東京ゲームショウ2016」に向けてVR(仮想現実)関連銘柄の強い値動きが続いた。また、sMedio<3913>や中村超硬<6166>が同30%超の大幅上昇となる一方、直近IPO銘柄のベイカレント・コンサルティング<6532>などが売られた。ジャスダックでは平田機工<6258>が同9.9%高、夢真HD<2362>が同6.3%高、エン・ジャパン<4849>が同5.6%高と堅調だった。極楽湯<2340>やアエリア<3758>は信用規制実施にもかかわらず活況が続いた。素材大手による電気自動車(EV)用リチウムイオン電池(LIB)材料の増産が報じられ、田中化学研究所<4080>も人気化した。その他、ベクター<2656>や北川精機<6327>がジャスダック上昇率上位に顔を出した。反面、日本精密<7771>や大和コンピューター<3816>が売られた。

今週の新興市場は、堅調な展開が続きそうだ。週初は日経平均の下落スタートに連れてリスク回避の売りが先行する可能性がある。しかし、個人投資家の中小型株への物色意欲は強く、個別材料株やテーマ株の循環物色の流れが続き需給面も比較的良好とみられる。マザーズ指数は直近のもち合いレンジを上放れてきており、出直り歩調を強めることが期待される。

今週は9月12日にネオジャパン<3921>、13日にファーマフーズ<2929>、ジェネレーションパス<3195>、バルニバービ<3418>、はてな<3930>、14日にエニグモ<3665>、サンバイオ<4592>、スリー・ディー・マトリックス<7777>などが決算発表を予定している。ジェネレーションパスやバルニバービ、エニグモなどは業績期待が高いようだ。15日からは「東京ゲームショウ2016」が開催され(一般公開は17日から)、ゲーム株やVR関連株の動向を注視したい。

IPO関連では、9月14日にデジタルアイデンティティ<6533>、カナミックネットワーク<3939>、串カツ田中<3547>がマザーズへ、16日にノムラシステムコーポレーション<3940>がジャスダックへ新規上場する。公開規模の小さい案件が多く、強い初値形成が期待されているが、特にカナミックネットワークは介護・医療ICT関連のテーマ性もあり人気が高いようだ。串カツ田中は比較的公開規模が大きいが、知名度の高さ等が追い風となる。なお、先週はKHネオケム<4189>(10月12日、東証1部または2部)、マーキュリアインベストメント<7190>(10月17日、東証2部)の新規上場が発表される一方、オークネット<3964>が上場を取り止めている。




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