欧米為替見通し:ドル・円買い継続、短期的に市場センチメント改善の見方
[16/09/29]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 市況・概況
今日の欧米外為市場では、ドル・円は買い継続の展開を予想する。前日開かれた石油輸出国機構(OPEC)非公式会合での減産合意で、市場センチメントが短期的に改善。また、イエレン米FRB議長が議会証言で年内の利上げの可能性を改めて示唆したことで、ドル買い・円売りが進みやすい状況にある。
28日のOPEC非公式会合では、増産凍結協議で交渉決裂との市場予想に反し、8年ぶりの減産に合意。それを好感した原油価格の急騰を受けて、ポンド・円やカナダドル・円などクロス円や米国株が上昇し、ドル・円を押し上げた。今日のアジア市場では、月末要因による輸入企業のドル買いに、リスク選好的な円売りも加わり、ドル・円は101円台を回復している。
ある外為ディーラーは米大統領選候補者TV討論会で、民主党のクリントン氏が共和党のトランプ氏に勝ったことも合わせ、「足元のネガティブな材料が取り除かれ、市場センチメントは短期的に改善している」と指摘。また、別の市場筋は、欧米市場では「減産合意が改めて消化され、市場心理の改善が続けばドル・円は102円を目指す可能性はある」との見方を示している。
一方、米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は、前日の下院金融委員会の公聴会で、失業率の改善を楽観視する姿勢を維持。インフレ率については「本格的な上昇の兆候は確認していない」との見方を示したが、次の行動として利上げを模索していること、ほとんどのFOMCメンバーが年内の利上げがリスクとはならないと見ていることなどを明らかにした。
【今日の欧米市場の予定】
・17:30 英・8月住宅ローン承認件数(英中銀)(予想:6.02万件、7月:6.09万件)
・18:00 ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁講演(ダブリン、経済見通し)
・18:00 ユーロ圏・9月景況感指数(予想:103.5、8月:103.5)
・18:30 南ア・8月生産者物価指数(前年比予想:+7.5%、7月:+7.4%)
・21:00 独・9月消費者物価指数速報値(前年比予想:+0.6%、8月:+0.4%)
・21:30 米・先週分新規失業保険申請件数(予想:26.0万件、前回:25.2万件)
・21:30 米・4-6月期GDP確定値(前期比年率予想:+1.3%、改定値:+1.1%)
・21:30 米・8月卸売在庫(前月比予想:0.0%、7月:0.0%)
・21:50 ロックハート米アトランタ連銀総裁講演
・23:00 米・8月中古住宅販売成約指数(前月比予想:0.0%、7月:+1.3%)
・23:00 パウエル米FRB理事講演(地域金融関連)
・03:00 カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁講演
・05:00 イエレン米FRB議長あいさつ(マイノリティバンキング会議)
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