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為替週間見通し:ドル・円はもみあいか、中国GDP、米大統領選TV討論会を注視

注目トピックス 市況・概況
■ドルは一時104円64銭、12月利上げを織り込むドル買い

先週のドル・円は堅調推移。米12月利上げを見込む相場展開となり、一時7月末以来となる104円64銭まで買われた。米長期金利の上昇や原油先物の続伸を意識したリスク選好的なドル買いが優勢となった。14日発表された9月の米小売売上高と生産者物価コア指数は市場予想と一致したが、今後のインフレ加速を示唆する指標との見方が浮上し、ドル相場を下支えした。

欧州連合(EU)から英国が離脱することによって英国とユーロ圏加盟国の経済情勢が著しく悪化するとの懸念が消えていないことはドル買い材料となった。EU単一市場への容易なアクセスを維持できない場合、金融大手はロンドンから業務や人員を移すことを計画している。英経済は金融サービス部門への依存度が高いことから、EU離脱によって英国経済は大きな打撃を受けるリスクがある。この影響はユーロ圏諸国にも及ぶと予想されていることから、リスク回避的なユーロ売り・米ドル買いが観測されており、ドル・円の相場動向にも影響を与えたようだ。週後半のドル・円はおおむね104円前後で推移し、104円18銭で取引を終えた。先週の取引レンジは、102円81銭-104円64銭となった。

■ドル・円はもみあいか、中国GDP、米大統領選TV討論会を注視

今週のドル・円はもみあいか。英国の欧州連合(EU)離脱に関する交渉や手続きを巡って、英国、欧州の実体経済に与える影響が懸念されており、投資家のドル選好地合いは続きそうだ。また、主要産油国による減産への期待で原油価格が持ち直していることもドル相場を下支えする一因となる。リスク回避的な円買いは抑制されており、米9月消費者物価指数(CPI)などの米経済指標が堅調なら、年内利上げ観測を背景としたドル買いは継続する見込み。

ただ、中国の9月貿易統計は低調だったことから、一部投資家は中国経済がリスク要因になるとして警戒している。19日発表の中国の7-9月期国内総生産(GDP)に対する市場の関心は高まっており、市場予想の前年比+6.7%を下回る伸びに終わった場合、リスク回避的な円買いが再び強まり、ドル・円は弱含む展開もあり得る。1-3月期、4-6月期の経済成長率はいずれも前年比+6.7%。7-9月期の成長率が予想を下回った場合、中国経済の減速懸念は一段と高まる可能性がある。

なお、11月8日の米大統領選まで3週間余りとなったが、TV討論会や支持率調査で民主党クリントン候補の共和党トランプ候補に対するリードが続いている。19日(日本時間20日午前)に予定される第3回の大統領候補者TV討論会で前2回に続きクリントン氏優勢となれば、本番の大統領選挙でも勝利する可能性が高まり、リスク選好的なドル買いは継続する可能性がある。第3回TV討論会の結果も有力な手掛かり材料になりそうだ。

【米・9月消費者物価コア指数】(18日発表予定)
米9月消費者物価コア指数(コアCPI)は、前年比+2.3%と予想されており、物価上昇率は8月実績と同じ水準になるとみられている。参考となる9月生産者物価コア指数は前年比+1.2%で予想通りだったが、上昇率は8月実績を上回った。9月のコアCPIの伸びが予想通りなら、年内利上げを後押しする材料として注目されそうだ。

予想レンジ:102円50銭−105円50銭




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