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国内株式市場見通し:米決算本格化で見極めムード、中国GDPが重しに

注目トピックス 市況・概況
先週の日経平均は横ばい。ロシアのプーチン大統領が石油輸出国機構(OPEC)と協力して、石油減産に応じる用意があると発言。これを受けた原油先物市場では、原油相場が4ヶ月ぶりの高値水準を回復した流れを受けて、連休明けの日経平均は約1ヶ月ぶりに終値で17000円を回復。しかし、米国では決算シーズン入りとなるなか、非鉄金属大手アルコアの決算が市場予想を下回り、来週から本格化する7-9月期決算への懸念が強まったほか、中国の弱い経済指標の発表が利食いに向かわせるきっかけとなり、週初の上昇分を帳消しにしている。

しかし、金庫株消却を発表したソフトバンクグ<9984>が急伸、その後も利食いに押されるも、週末にはファンド設立を手掛かりに大幅高となったほか、ファーストリテ<9983>は今期業績のV字回復が評価され、ファナック<6954>はロボット生産能力増強の発表や米ファンドによる資金流入観測等から日経平均をけん引。PSVRを発売したソニー<6758>が連日で年初来高値を更新したほか、コマツ<6301>、東芝<6502>なども年初来高値を更新するなど、主力株の堅調な値動きにより、日経平均はこう着ながらも市場のマインドは良好だった。

今週は米国で決算発表が本格化するため、決算に対する市場の評価を見極めたいとする流れになりそうだ。今回の米アルコアの決算をきっかけにNYダウは200ドルを超える下落をみせただけに、今後発表される決算に対する市場の関心は高いだろう。14日の米国市場では、米銀行最大手のJPモルガン・チェース、シティグループ、ウェルズ・ファーゴは、いずれも減益ながら市場予想を上回ったとして上昇しており、一先ず安心感につながりそうである。

先週の日経平均は不安定な値動きではあったが、25日線レベルでの底堅さが意識される格好となり、価格帯別出来高の膨らんでいる16600-16700円のレンジは上回っている。決算シーズンとなるため積極的な売買は手控えられ、もち合いレンジ突破は期待しづらいところではある。ただし、主力株の底堅い値動きからは、25日線を支持線にレンジ上限の17000円を窺う展開を意識してこよう。

経済スケジュールでは、7-9月の中国の国内総生産(GDP)(19日)が発表される。先週は中国経済の回復力が試される中で、貿易統計の弱さが嫌気される場面もみられたこともあり、中国経済の減速懸念が重しになる可能性は警戒されるところ。なお、市場コンセンサスは3四半期連続で6.7%増と予想されているが、李克強首相は「7月から9月は予想よりいい」と述べたとの報道もあり、サプライズへの期待もありそうだ。

また、欧州中央銀行(ECB)理事会(20-21日)にも注目が集まろうが、量的緩和のテーパリングを協議している兆候が示されるといった観測もあったが、決定は買い入れ延長の是非についても決定が見込まれる12月に持ち越されるとの見方がコンセンサスであり、市場反応は無風といったところか。その他、米地区連銀経済報告(ベージュブック)(19日)が公表されるほか、9月の米中古住宅販売件数(20日)が予定されている。14日に発表された9月の米小売売上高は前月比0.6%増と、2ヶ月ぶりにプラスに転じた。12月利上げへの後押しとの見方が強まっているが、ベージュブックでさらに利上げを正当化する見方となるかが注目されよう。年内利上げ観測が高まるなか、為替相場はドル高・円安傾向に向かいやすく、これが株式市場の下支えにもなりそうだ。

なお、19日に米大統領選の候補者による第3回テレビ討論会がある。CNNの調査では民主党候補のヒラリー・クリントン氏が共和党候補のドナルド・トランプ氏を7ポイント上回っていることがわかった。相次ぐ女性問題でトランプ氏は窮地に陥っているが、ただ信用度を問う質問では両者の差が縮まったとも伝えられており、波乱要因になる。




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