欧米為替見通し:ドル・円は上げ渋り、中国リスク後退も104円台は売り継続
[16/10/19]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 市況・概況
今日の欧米外為市場では、ドル・円は上げ渋る展開を予想したい。注目された中国の経済指標がほぼ予想内となり同国経済への懸念はいったん後退。資源価格の改善期待や、米FRBの年内利上げ観測の高まりから、ドルには買いが入りやすい地合いが見込まれる。ただ、引き続き104円台では利益確定などのドル売り圧力が強く、上昇は限定的となりそうだ。
今月13日に発表された中国の9月貿易統計は輸出と輸入がいずれも低調となり同国経済が市場のリスク要因となりつつあったが、今日11時に発表された7-9月期国内総生産(GDP)は前年比+6.7%と予想通りの内容となった。同時に発表された9月鉱工業生産は同+6.1%、9月小売売上高は同+10.7%とほぼ予想通りの内容。市場では「指標が弱くなかったので中国リスクは後退した」(ある外為ディーラー)とみられている。中国GDPを受け、原油をはじめ資源価格に需給の引き締まりによる改善期待が広がり、米株高観測からドル買い・円売り選好の地合いが見込まれる。
今晩のドル・円取引についても、日本時間20日午前に行われる米大統領選候補者による第3回TV討論会を控え、様子見ムードが広がりやすいものの、米住宅関連指標が予想に沿った結果になれば、FRBの12月利上げ観測を後押しし、ドル買い基調は続くとみられる。ただし、「104円前半ではドルを売ろうとしている人は引き続き多い」(先の外為ディーラー)といわれており、前日同様104円前半で上値は抑えられそうだ。
【今日の欧米市場の予定】
・17:00 南ア・9月消費者物価指数(前年比予想:+6.2%、8月:5.9%)
・17:30 英・6-8月ILO失業率(予想:4.9%、5-7月:4.9%)
・17:30 英・9月失業率(予想:2.2%、8月:2.2%)
・20:00 南ア・8月小売売上高(前年比予想:+0.6%、7月:+0.8%)
・20:00 米・MBA住宅ローン申請指数(先週)(前回:-6.0%)
・21:30 米・9月住宅着工件数(予想:117.5万戸、8月:114.2万戸)
・21:30 米・9月住宅建設許可件数(予想:116.5万戸、8月:修正値115.2万戸)
・21:45 ウィリアムズ米サンフランシスコ連銀総裁講演(金融サービス業界の多様性)
・23:00 カナダ中銀が政策金利発表(0.50%に据え置き予想)
・02:30 カプラン米ダラス連銀総裁講演
・03:00 米地区連銀経済報告(ベージュブック)
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