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欧米為替見通し:ユーロ・ドルは小幅安か、ECB緩和継続も売り進まず

注目トピックス 市況・概況


今日の欧米外為市場では、ドル・円はおもに103円台を中心に方向感の乏しい展開が予想される。米大統領選に向け「トランプ・リスク」の後退は予想通りで、ドルの押し上げ要因とはなりにくいようだ。また、ユーロ・ドルは小幅安の展開を想定したい。欧州中銀(ECB)は緩和方針の継続が見込まれるものの、ユーロは直近安値付近まで下落しているため、目先の下げ余地は小さいとみられる。

日本時間20日午前に米国ラスベガスで行われた大統領選候補者による最後のTV討論会については、勝利したのがクリントン氏との回答は52%にのぼり、トランプ氏の39%を上回った(米CNN調査)。トランプ氏はクリントン氏のオバマ政権の継承などについて批判したものの、得点には結びつかなかった。ただ、クリントン氏優勢はほぼ織り込まれており、ドルを押し上げる要因とはなりにくいようだ。ある市場筋は「ドル売り要因が後退した程度」と指摘している。

さて、今晩は20時45分の欧州中銀(ECB)の政策発表と21時半のドラギ総裁による記者会見が注目される。市場コンセンサスは政策金利0.00%に据え置き。焦点となっているECBの資産買入れプログラムに関しては、ドラギ総裁が従来通り今後も買い入れを継続する方針を示せば、ユーロ売り・ドル買いに振れやすい地合いとなるだろう。ただし、足元のユーロ・ドルは6月23日の欧州連合(EU)離脱を決めた英国民投票後の最安値圏で推移しており、ユーロが現在の水準からさらに大きく下落する展開は想定しにくい。

一方で、ECBは資産買い入れ縮小に向かうとの見方が市場には根強く、ドラギ総裁が資産買い入れ方針の継続に消極的なら、ユーロ買いに転じる可能性はあろう。その際には「ドル安基調が意識されドル安・円高の展開に振れやすい」と先の市場筋はみている。ただ、ドル・円は、原油価格の高値圏推移で米株高の継続が見込まれるほか、米FRBの12月利上げ観測も続いており、103円台は維持できそうだ。


【今日の欧米市場の予定】
・17:00 ユーロ圏・8月経常収支(季調済、7月:+210億ユーロ)
・17:30 英・9月小売売上高(自動車燃料含む)(前月比予想:+0.3%、8月:-0.2%)
・20:45 欧州中央銀行(ECB)が政策金利発表(0.00%に据え置き予想)
・21:30 ドラギECB総裁会見
・21:30 米・先週分新規失業保険申請件数(予想:25.0万件、前回:24.6万件)
・21:30 米・10月フィラデルフィア連銀製造業景況指数(予想:5.0、9月:12.8)
・21:30 ダドリーNY連銀総裁あいさつ(NY連銀主催会合)
・22:00 EU首脳会議(21日まで)
・23:00 米・9月中古住宅販売件数(予想:535万戸、8月:533万戸)
・23:00 米・9月景気先行指数(前月比予想:+0.2%、8月:-0.2%)



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