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新興市場見通し:JR九州の好発進でマザーズは出遅れ修正の資金還流に期待

注目トピックス 市況・概況
先週の新興市場では、マザーズ指数、日経ジャスダック平均ともに上昇した。週前半は主力大型株の決算発表を前に中小型株が幕間つなぎ的に買われ、マザーズ銘柄の上昇が目立つ場面もあった。ただ、週後半に日経平均が節目の17000円台を回復すると、任天堂<7974>などの大型株に物色が向かったこともあり、マザーズ銘柄は利益確定売りに押される展開となった。なお、週間の騰落率は、日経平均が+1.9%であったのに対して、マザーズ指数は+1.7%、日経ジャスダック平均は+1.4%だった。

個別では、ミクシィ<2121>が週間で2.7%高となったものの、そーせいグループ<4565>が同0.1%安、サイバーダイン<7779>が同2.4%安とマザーズ時価総額上位は値動きの悪さが嫌気されさえない展開だった。そーせいグループは一部証券会社の新規高評価も観測されたが、買いは続かなかった。一方、メタップス<6172>やブランジスタ<6176>に物色が向かい活況となった。メタップスは強気の今期業績予想を受けて大幅高となり、Jストリーム<4308>、Gunosy<6047>などと週間のマザーズ上昇率上位に顔を出した。反面、オークファン<3674>や串カツ田中<3547>が売られた。ジャスダック主力は、セリア<2782>が同7.3%高、ハーモニック・ドライブ・システムズ<6324>が同5.8%高、平田機工<6258>が同12.8%高などと全般堅調だった。売買代金上位ではオリコン<4800>やベクター<2656>が利益確定売りに押されたが、アサカ理研<5724>、エージーピー<9377>、エヌジェイHD<9421>などが買われ大きく上昇した。IPOでは、10月17日に東証2部へ上場したマーキュリアインベストメント<7190>は公開価格を下回る初値形成となった。21日にマザーズへ上場したユーザベース<3966>は公開価格を16%上回る初値を付けるとストップ高まで買われた。

今週の新興市場だが、7-9月期の決算発表が本格化することで市場の関心は主力大型株に向かいやすくなるだろう。しかし、日経平均が前週に半年ぶりとなる高値を付けたことに加え、後述する九州旅客鉄道<9142>(JR九州)のIPOが好発進となることが見込まれるなか、出遅れ感の強いマザーズ銘柄にも水準訂正を狙った資金還流が期待されるところだ。企業の業績動向などを手掛かりとした個別物色も活発となってくるだろう。

今週は10月24日にアンジェスMG<4563>、鉱研工業<6297>、25日にMRT<6034>、26日にデファクトスタンダード<3545>、ドリコム<3793>、27日にアスコット<3264>、Jストリーム、ニューフレアテクノロジー<6256>、エージーピー、28日に極楽湯<2340>、ブロードメディア<4347>、環境管理センター<4657>、東映アニメーション<4816>、スパークス・グループ<8739>などが決算発表を予定している。また、26日から28日には「Japan IT Week 秋 2016」が開催される。

IPO関連では、10月25日にJR九州が東証1部へ(福証には26日)、27日にアイモバイル<6535>がマザーズへ新規上場する。注目のJR九州だが、ブックビルディングでは最終的に個人投資家で15倍もの需要を集めたようだ。売出額は4160億円と今年最大のIPOだが、堅調な初値形成が期待される。なお、先週はWASHハウス<6537>(11月22日、マザーズ及び福証Q-Board)、JMC<5704>(11月29日、マザーズ)の新規上場が発表されている。




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