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来週の相場で注目すべき3つのポイント:ヒラリーメール、米雇用統計、決算本格化

注目トピックス 市況・概況

■株式相場見通し

予想レンジ:上限17500-下限17200円

来週は引き続き主要企業の決算発表が続き、週間では760社程の発表が予定されている。決算を受けた市場反応には強弱感が明確に表れており、方向感が掴みづらい面はある。また、米国では11月1、2日に連邦公開市場委員会(FOMC)が開かれる。ここでの利上げを予想する向きはないが、4日に10月の米雇用統計が発表されるため、決算以外にも手控え要因がある。

さらに、翌週には米大統領選が行われる。市場はヒラリー氏の就任を織り込んでいるほか、トランプ氏との比較で市場はポジティブ視している面もある。ただ、週末には米連邦捜査局(FBI)がヒラリー候補への捜査を再開すると明らかにしたことで、選挙結果をめぐる不透明感が高まっている。今後の行方を見守る格好となろうが、たとえヒラリー大統領誕生としても、その後はTPP反対など、デメリット面も警戒されてくる可能性があるだろう。決算がピークを迎えるなか、より、こう着感の強まる相場展開も意識しておく必要がありそうだ。

とはいえ、足下で円安基調が続いており、先週の決算をみても円高の影響による収益悪化等は織り込まれていると考えられる。そのため、方向性としては決算後のアク抜けを意識したスタンスで臨みたいところであろう。先週末に上昇が目立った金融セクターのほか、自動車、ハイテクなどは依然として出遅れ感が強いこともあり、調整局面においては押し目拾いのスタンスで注目しておきたい。

その他、東京証券取引所が27日に発表した10月第3週(17-21日)の投資部門別売買動向では、海外投資家が3週連続の買い越しだった。先週も海外ファンドの買い観測などがあがっていたこともあり、4週連続の買い越しとなった可能性は高いだろう。ここにきて、明らかに海外勢の投資姿勢に変化がみられている。個人は売り越しではあるが、海外勢主体の買いによる上昇局面での個人の利益確定といった流れとみられ、個人が弱気とみるのは早計だろう。中小型株の相対的な鈍さは目立っているが、決算シーズンのなかで主力処にシフトしやすい状況でもあり、中小型の決算が本格化する11月中旬辺りに備えておきたいところである。

その他、28日にウイーンで開かれた石油輸出国機構(OPEC)の事務レベルの打ち合わせは、イラクとイランが減産の際の基準となる生産データを巡り12時間に渡って対立し、結局、物別れに終わった。ある程度は想定されていたと考えられるが、これで11月30日のOPEC総会で協調減産が発表される可能性は低くなったとの見方となるため、再び原油相場の動向に振らされやすい需給状況にもなりやすい。


■為替市場見通し

来週のドル・円は上値の重い展開となりそうだ。米連邦捜査局(FBI)がヒラリー・クリントン氏の私用メールに関する調査を再開したとの報道を受けて、28日の欧米市場ではリスク回避的なドル売りが観測された。株式や原油先物も下げており、ドル上昇を抑える要因となった。

今週は日米の金融政策が決定されるが、いずれも現状維持となる可能性が高い。米FBIがクリントン氏の私用メール問題で調査を再開したが、このことが米金融政策に直接的な影響を及ぼす可能性は低いと予想される。ただし、FBIによる調査再開が米大統領選に大きな影響を与えることは避けられないとの見方は多い。クリントン氏の勝利濃厚との思惑が広がっていたが、選挙結果は予断を許さない状況となりつつある。

このため、外為市場参加者の間では様子見ムードが広がりそうだ。直近の支持率調査で民主党クリントン候補の共和党トランプ候補に対するリードが続いているが、クリントン氏の勝利を織り込んでドル買いが広がる可能性は低いとみられる。また、日本銀行の黒田総裁は27日の参院財政金融委員会で、「超長期の金利が現在よりも多少上昇してもおかしくはなく、直ちに引き下げに動く必要性もない」との考えを示した。米利上げで日米金利差の拡大が予想されているが、日本の長期金利が上昇した場合、金利差拡大を見込んだドル買いは抑制される可能性がある。



■来週の注目スケジュール

10月31日(月):鉱工業生産指数、金融政策決定会合、ユーロ圏7-9月GDP速報値など
11月 1日(火):黒田総裁会見、新車販売台数、中製造業PMI、米ISM製造業景気指数など
11月 2日(水):消費者態度指数、独失業率、米ADP全米雇用報告、FOMC政策金利など
11月 3日(木):中財新総合PMI、米ISM非製造業景況指数、英・総合PMIなど
11月 4日(金):ユーロ圏総合PMI改定値、米雇用統計など




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