後場に注目すべき3つのポイント〜日銀ETF買い入れを超えるリスク回避の売りとなるか
[16/11/02]
提供元:株式会社フィスコ
提供元:株式会社フィスコ
注目トピックス 市況・概況
2日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
・日銀ETF買い入れを超えるリスク回避の売りとなるか
・ドル・円は103円69銭付近、ドルは弱含み、トランプ・リスクの現実味に警戒
・三菱UFJ、ホンダなど11社の目標株価変更
■日銀ETF買い入れを超えるリスク回避の売りとなるか
日経平均は大幅に反落。241.79円安の17200.61円(出来高概算9億9000万株)で前場の取引を終えている。ヒラリー・クリントン氏のメール問題により、米大統領選の先行き不透明感が強まっている。トランプ氏がリードと伝えられるなか、これまでヒラリー大統領誕生を織り込んでいたポジションをいったんクローズさせる動きが強まっているようである。
シカゴ先物にサヤ寄せする格好から17300円を割り込んで始まった日経平均は、その後はこう着感の強い展開をみせていた。日銀のETF買い入れに対する需給要因等も売り込みづらくさせる面もあった。しかし、祝日を挟んでいることもあって、いったんポジションを外す動きが優勢となるなか、前引け間際には17200円を下回る場面もみられている。
東証1部の騰落銘柄は、値下がり数が8割を超えており、規模別指数は大型、中型、小型株指数いずれも2ケタの下落となっている。セクターでは鉄鋼のみが上昇しており、非鉄、海運、保険、情報通信、不動産、輸送用機器、ガラス土石、繊維、銀行の下げが目立つ。
米大統領選の世論調査では、トランプ氏が1ポイントリードと伝えられている。実際の投票までは調査結果に振らされやすく、ポジションは取りづらいところである。且つ、FOMCについては利上げは見送られ、サプライズはないとのコンセンサスである。祝日明けは雇用統計を控えた週末要因となり、ここでもポジションは取りづらいところだと考えられる。日銀のETF買い入れに伴う需給は意識されるが、これを上回るリスク回避となれば、下へのバイアスが強まりやすいだろう。
そのため、物色は決算を手掛かりとした個別対応になりやすく、且つ、日替わり物色といったところであろう。また、短期筋の値幅取り狙いの資金などは、回転の利きやすい中小型株などへ集中するほか、本日はカジノなど、分かりやすいテーマ株の一角などにも、回転の速い資金が向かいやすい。
(株式部長・アナリスト 村瀬智一)
■ドル・円は103円69銭付近、ドルは弱含み、トランプ・リスクの現実味に警戒
2日午前の東京外為市場では、ドル・円は弱含み。来週の米大統領選に向け不透明感が増しており、リスク回避の動きが広がった。ドル・円は、民主党クリントン大統領候補への私用メール問題に関する米連邦捜査局(FBI)の捜査再開が嫌気され、前週末から売りが強まっている。前日NY市場で一段安となった流れを受け継ぎ、東京市場でも売りが続いた。
一部の支持率調査で共和党トランプ候補がクリントン候補を逆転したと報じられ、リスク回避の動きが強まっており、スイスフランの他にユーロや円にも資金が流入しているもよう。ドル・円は日経平均株価の前日比200円超の下落を手がかりに、一時103円60銭台まで下落。
ランチタイムの日経平均先物は下げ幅を拡大しており、目先株売りが続けばドルには下方圧力がかかりやすいだろう。25日移動平均線などが位置する103円50銭付近で下げ止まるか注目される。
ここまでのドル・円の取引レンジは103円68銭から104円16銭、ユーロ・円は114円72銭から115円16銭、ユーロ・ドルは1.1050ドルから1.1067ドルで推移した。
12時21分時点のドル・円は103円69銭、ユーロ・円は114円76銭、ポンド・円は126円87銭、豪ドル・円は79円03銭で推移している。
(為替・債券アナリスト 吉池威)
■後場のチェック銘柄
・三菱UFJ<8306>、ホンダ<7267>など11社の目標株価変更
・セキュアヴェイ<3042>、白鳩<3192>、国際チャート<3956>など5社がストップ高
※一時ストップ高(気配値)を含みます
・小林洋行<8742>が16年10月の月次動向を発表
・カナダ中銀総裁
「中銀の考え方を明確にできたことに満足」
・麻生財務相
「日銀の金融政策決定にコメントしない」
☆後場の注目スケジュール☆
<国内>
・14:00 10月消費者態度指数(予想:42.6、9月:43.0)
<海外>
・特になし
<WA>