国内株式市場見通し:全般こう着もトランプ効果でグッドフライデーへの期待高まる
[16/11/19]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 市況・概況
先週の日経平均は上昇。週末には一時1月7日以来の18000円を回復した。米大統領選でのトランプ氏勝利を歓迎する相場展開が続く中、トランプ政権の政策への思惑から米10年物国債の利回りが上昇し、外国為替市場で円安が進行。この流れを受けた週明けの日本株市場は、日経平均は2月以来、約9ヶ月ぶりの高値水準を回復した。
その後は米国でのトランプ物色が一巡する流れから一服もみられたが、長期金利上昇、円安が進むなか、銀行株のほか自動車など輸出関連への物色が広がりをみせた。更に月末にOPEC(石油輸出国機構)を控えるなか、原油先物相場の上昇も安心感につながったほか、安倍首相・トランプ次期米大統領の会談を前に、日米同盟に対する米国の関与を再確認するとともに、政策期待が高まりやすいなかで底堅さも意識されている。また、日銀の黒田東彦総裁は金利上昇抑える狙いから固定金利で無制限に国債を買い入れる「指値オペ」を初めて実施したことも、不動産株への買い戻しにつながった。
そして週末にはイエレン(FRB)議長が早期の利上げが適切との認識を示したことが好感され、円相場は1ドル110円と円安基調が強まり、日経平均は節目の18000円を回復した。
トランプ政権への期待を背景とした物色は継続すると考えられるが、今週の日経平均は18000円を挟んでの底固めの展開が見込まれる。日経平均は2月戻り高値(17905.37円)のほか、週足の一目均衡表の雲上限である17910円をクリアしたことで、目先は同水準を支持線に変えてくるかが注目される。11月第2週の海外投資家による売買動向では、日本の現物株と先物合計の売買は、6228億円の買い越しだった。米大統領選通過後に買いに転じているとみられ、乱高下の局面とすれば16000円前半から買っており、いったんは利益確定が意識されやすい。
また、今週は日米ともに祝日を挟んでいることもあり、売買は膨らみづらい面がある。ただ、24日の米感謝祭明け後の25日はブラックフライデーと呼ばれ、米国のクリスマス商戦が本格化する。全米小売業協会(NRF)は、今年の年末商戦(11-12月)での小売売上高について前年同期比3.6%増と予想している。足元ではウォルマートやギャップなどが冴えない決算とはなったが、10月の小売売上高が予想を上回るなか、トランプ政策への期待が加わる11-12月の年末商戦に対して一段と消費拡大が意識される。
一方で、月末にはOPEC総会も控えている。先週末にも減産に向けカタールの首都ドーハで閣僚級協議が開かれており、サウジアラビアのファリハ・エネルギー相は減産合意に楽観視していると伝えられている。とは言え、これまでの目前まで合意を強調するものの、結局は物別れとなって原油相場の波乱につながっている。30日の総会が近づくにつれて、相場の波乱要因になろう。物色はトランプ物色を意識しつつも、主力大型株から中小型株での短期的な値幅取り狙いに向かいやすいだろう。
物色としては米年末商戦を意識するなか、ゲーム株の動向が注目される。また、こう着ながらも先高感の強い相場展開であるため、相対的に出遅れているセクターや銘柄への水準訂正を意識した物色も意識されることになりそうだ。
経済イベントでは21日に貿易統計(10月)、銅電線出荷統計(10月)、全国スーパー売上高(10月)、コンビニエンスストア売上高(10月)、22日に百貨店売上高(10月)、25日に消費者物価指数(10月)、企業向けサービス価格指数(10月)など。海外では21日にドラギECB総裁証言、22日に米中古住宅販売件数(10月)、ユーロ圏消費者信頼感指数(11月)、23日に米耐久財受注(10月)、米新規失業保険申請件数、米FHFA住宅価格指数(9月)、米新築住宅販売(10月)、米ミシガン大学消費者マインド指数(11月)、米FOMC議事録公表、ユーロ圏総合・製造業・サービス業PMI(11月)、24日に独Ifo景況感指数(11月)などが予定されている。
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その後は米国でのトランプ物色が一巡する流れから一服もみられたが、長期金利上昇、円安が進むなか、銀行株のほか自動車など輸出関連への物色が広がりをみせた。更に月末にOPEC(石油輸出国機構)を控えるなか、原油先物相場の上昇も安心感につながったほか、安倍首相・トランプ次期米大統領の会談を前に、日米同盟に対する米国の関与を再確認するとともに、政策期待が高まりやすいなかで底堅さも意識されている。また、日銀の黒田東彦総裁は金利上昇抑える狙いから固定金利で無制限に国債を買い入れる「指値オペ」を初めて実施したことも、不動産株への買い戻しにつながった。
そして週末にはイエレン(FRB)議長が早期の利上げが適切との認識を示したことが好感され、円相場は1ドル110円と円安基調が強まり、日経平均は節目の18000円を回復した。
トランプ政権への期待を背景とした物色は継続すると考えられるが、今週の日経平均は18000円を挟んでの底固めの展開が見込まれる。日経平均は2月戻り高値(17905.37円)のほか、週足の一目均衡表の雲上限である17910円をクリアしたことで、目先は同水準を支持線に変えてくるかが注目される。11月第2週の海外投資家による売買動向では、日本の現物株と先物合計の売買は、6228億円の買い越しだった。米大統領選通過後に買いに転じているとみられ、乱高下の局面とすれば16000円前半から買っており、いったんは利益確定が意識されやすい。
また、今週は日米ともに祝日を挟んでいることもあり、売買は膨らみづらい面がある。ただ、24日の米感謝祭明け後の25日はブラックフライデーと呼ばれ、米国のクリスマス商戦が本格化する。全米小売業協会(NRF)は、今年の年末商戦(11-12月)での小売売上高について前年同期比3.6%増と予想している。足元ではウォルマートやギャップなどが冴えない決算とはなったが、10月の小売売上高が予想を上回るなか、トランプ政策への期待が加わる11-12月の年末商戦に対して一段と消費拡大が意識される。
一方で、月末にはOPEC総会も控えている。先週末にも減産に向けカタールの首都ドーハで閣僚級協議が開かれており、サウジアラビアのファリハ・エネルギー相は減産合意に楽観視していると伝えられている。とは言え、これまでの目前まで合意を強調するものの、結局は物別れとなって原油相場の波乱につながっている。30日の総会が近づくにつれて、相場の波乱要因になろう。物色はトランプ物色を意識しつつも、主力大型株から中小型株での短期的な値幅取り狙いに向かいやすいだろう。
物色としては米年末商戦を意識するなか、ゲーム株の動向が注目される。また、こう着ながらも先高感の強い相場展開であるため、相対的に出遅れているセクターや銘柄への水準訂正を意識した物色も意識されることになりそうだ。
経済イベントでは21日に貿易統計(10月)、銅電線出荷統計(10月)、全国スーパー売上高(10月)、コンビニエンスストア売上高(10月)、22日に百貨店売上高(10月)、25日に消費者物価指数(10月)、企業向けサービス価格指数(10月)など。海外では21日にドラギECB総裁証言、22日に米中古住宅販売件数(10月)、ユーロ圏消費者信頼感指数(11月)、23日に米耐久財受注(10月)、米新規失業保険申請件数、米FHFA住宅価格指数(9月)、米新築住宅販売(10月)、米ミシガン大学消費者マインド指数(11月)、米FOMC議事録公表、ユーロ圏総合・製造業・サービス業PMI(11月)、24日に独Ifo景況感指数(11月)などが予定されている。
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