今日の為替市場ポイント:日米長期金利差の拡大観測で円売り継続
[16/11/25]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 市況・概況
24日のドル・円相場は、東京市場では112円38銭から113円39銭まで上昇。欧米市場でドルは113円53銭まで買われた後に112円74銭まで下げたが、まもなく持ち直し、113円31銭で取引を終えた。
本日25日のドル・円は、113円台で推移か。米金利の先高観がただちに後退する可能性は低いとみられており、日米の長期金利差はさらに拡大するとの見方が増えていることから、リスク選好的なドル買い・円売りは継続する見込み。
市場関係者の間では、トランプ次期米政権下では財政拡張によってインフレが進行し、米長期金利は大幅に上昇するとの見方が増えている。12月13-14日に開かれる米連邦公開市場委員会(FOMC)の会合で0.25ポイントの利上げが決定されることは確実視されているが、2017年も数回の利上げが実施されるとの見方が広がっている。
ただし、トランプ次期政権による拡張的な財政政策には問題点もある。米上院は2015年10月30日、連邦債務の上限引き上げを盛り込んだ2016、17会計年度の予算案を可決した。連邦政府の債務上限は2017年3月までの引き上げが認められた。また、歳出額は2016年度、2017年度合計で800億ドル増額することもこの時点で決まった。
それでも、2017年1月に就任する新大統領は債務上限問題について改めて取り組む必要がある。米上下院は共和党が多数派であり、トランプ次期大統領が難しい議会運営を迫られる懸念はないかもしれないが、全ての共和党議員の支持を得られる保証はない。
トランプ次期政権による財政出動がどれほどの規模になるのか、現時点では固まっていないようだが、大統領に正式就任した後、債務上限の引き上げ作業にもすみやかに着手する必要があると思われる。このため、一部の市場関係者は、トランプ次期政権の経済・財政政策の立案や取りまとめになどが遅れることや、内容が不十分になることを警戒している。
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