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新興市場見通し:マザーズ指数はさえず個別対応中心に、注目のZMPはBB開始

注目トピックス 市況・概況
先週の新興市場は、米株高や円安進行を追い風に日経平均が7日続伸となるなか、相対的に低調推移となった。マザーズ指数は相場全体の先高感を支援材料として上値を試す場面も見られたが、主力株の上値の重さやここまで上昇をけん引してきた銘柄の過熱感などから、週末にかけて手仕舞い売りが広がった。日経ジャスダック平均は上値追いの展開が続いたが、週末には利益確定売りに押された。なお、週間の騰落率は、日経平均が+2.3%であったのに対して、マザーズ指数は-0.7%、日経ジャスダック平均は+0.7%だった。

個別では、マザーズ時価総額上位のミクシィ<2121>が週間で1.8%高、サイバーダイン<7779>が同0.5%高としっかりだが、そーせいグループ<4565>が同6.3%安となり指数を押し下げた。売買代金上位ではイグニス<3689>の活況が続き、一時節目の1万円に乗せた。また、がん免疫療法を開発する創薬ベンチャーの子会社化を発表したグリーンペプタイド<4594>、LINE<3938>の法人向けサービスと連携するコラボス<3908>、東証1部への市場変更を発表したビジネス・ブレークスルー<2464>などが大きく買われた。反面、チェンジ<3962>やマイネット<3928>などが下落した。ジャスダック主力では、自社株買い実施を発表したセプテーニ・HD<4293>が同7.5%高となった一方、エン・ジャパン<4849>は同5.0%安と軟調だった。売買代金上位ではZMP<7316>関連のフューチャーベンチャーキャピタル<8462>やアスコット<3264>などが賑わった。また、小型のカジノ関連株として人気化しているピクセルカンパニーズ<2743>や第一化成<4235>が週間のジャスダック上昇率上位、ヒロセ通商<7185>や細谷火工<4274>が下落率上位だった。IPOでは、11月18日上場のフィル・カンパニー<3267>が上場2日目に公開価格の約3.1倍となる初値を付けた。22日上場のWASHハウス<6537>は公開規模が比較的大きかったものの堅調な初値形成となった。

今週の新興市場では、マザーズ指数のさえない展開が続く可能性がある。注目のZMPを含む12月IPOのブックビルディング(BB)期間が始まることも需給面で重しとなる。ただ、値動きの軽い小型の材料株やテーマ株に対する個人投資家の物色意欲は根強く、個別対応が中心となろう。また、12月に向けてIPO人気の高まりが窺え、今週も新規上場銘柄に関心が向かいそうだ。

今週は11月30日にはてな<3930>、トリケミカル研究所<4369>、ACCESS<4813>、12月1日にピープル<7865>、2日に日本スキー場開発<6040>などが決算発表を予定している。このうち、トリケミカル研究所は先端半導体向け材料の需要拡大が追い風となっており、市場評価も高い。また、後述するZMPの仮条件決定に伴い、関連銘柄への物色が再燃する可能性がある。

IPO関連では、11月29日にJMC<5704>、エルテス<3967>、スタジオアタオ<3550>の3社がマザーズへ新規上場する。エルテスは公開規模が小さいうえ、ビッグデータ解析によるソーシャルメディア監視等の時流に乗った事業を展開しており、投資家の関心が高いようだ。また、ZMPは29日に仮条件が決定し、翌30日よりBB期間となる。なお、先週はティビィシィ・スキヤツト<3974>(12月27日、ジャスダック)の新規上場が発表されている。




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