後場に注目すべき3つのポイント〜センチメント悪化、テーマ株の下値を拾う動きが出てくるか
[16/12/29]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 市況・概況
29日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
・センチメント悪化、テーマ株の下値を拾う動きが出てくるか
・ドル・円は116円80銭付近、ドル・円は下げ渋り、日本株売り一服で
・塩野義、Jフロントなどの6社の目標株価変更
■センチメント悪化、テーマ株の下値を拾う動きが出てくるか
日経平均は大幅に下落。190.79円安の19210.93円(出来高概算12億3000万株)で前場の取引を終えている。28日のNY市場は全面安商状となり、NYダウは100ドルを超える下落となった。シカゴ日経225先物清算値は大阪比105円安の19325円となり、これにサヤ寄せする格好となった。米国ではトランプ次期大統領による経済政策の発表を控え、いったん利益確定の売りが広がる格好だった。その流れも引き継ぐ格好となり、トランプ物色で買われていたセクターや銘柄等への利益確定につながっている。
セクターでは食料品を除いた32業種が下落となり、とりわけトランプ物色として買われていた鉄鋼、海運、銀行、証券、電気機器、石油石炭、金属、非鉄などの弱さが目立つ。東証1部の値下がり数は1600を超えており、全体の8割を占めている。
市場参加者が限られているなかとはいえ、日経平均は高値もち合いを下放れる格好となっている。利益確定の売りではあるが、大納会を明日に控えての大幅下落となったため、センチメントは悪化傾向となり、年明けの動向への警戒感も強まりやすいところである。この状況のなか、押し目を拾う動きが出てくるかが注目されるところであろう。
また1月には5日から8日まで米ラスベガスで世界最大規模の家電見本市(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー :CES 2017)が開催される。モノのインターネットとされるIoT(インターネットオブシングス)、AI(人工知能)、VR(バーチャルリアリティ:仮想現実)とAR(拡張現実)、ドローン、ロボットなどに期待感が高まりやすい。また、8日から米デトロイトで北米自動車ショーが開催される。PHV(プラグインハイブリッド)、EV(電気自動車)、安全支援機能、自動運転車などに関心が集まりそうである。
(株式部長・アナリスト 村瀬智一)
■ドル・円は116円80銭付近、ドル・円は下げ渋り、日本株売り一服で
29日午前の東京外為市場では、ドル・円は下げ渋り。日本株は大幅安となったが、前引けにかけて売り一服となり、ドルの下げはいったん収束した。ドル・円は、前日海外市場でのドル売りの流れを受け、アジア市場でも日本株安を手がかりに売りが続いた。日経平均株価が200円超下落した場面では、ドル売り・円買いが強まり一時116円68銭まで値を下げた。
ただ、日経平均は前引けにかけて売り一服。ランチタイムの日経平均先物は軟調地合いだが、日本株が目先下げ幅を拡大しなければ、ドルは116円台では押し目買いが強まりやすく、目先は117円台まで値を戻す展開が予想される。
ここまでのドル・円の取引レンジは116円68銭から117円26銭、ユーロ・円は121円71銭から122円26銭、ユーロ・ドルは1.0409ドルから1.0440ドルで推移した。
12時25分時点のドル・円は116円80銭、ユーロ・円は121円90銭、ポンド・円は143円02銭、豪ドル・円は84円06銭で推移している。
(為替・債券アナリスト 吉池威)
■後場のチェック銘柄
・塩野義<4507>、Jフロント<3086>などの6社の目標株価変更
・アークン<3927>、タカタ<7312>がストップ高
※一時ストップ高(気配値)を含みます
・日銀金融政策決定会合における主な意見(12月19-20日分)
「大恐慌時の米FRBの速すぎた出口、日本の早すぎたゼロ金利と量的緩和の解除など経験を踏まえれば、2%の物価安定の目標を達成するためには相当な期間、現在の金利水準で長短金利操作付き量的・質的金融緩和を続けるべき」
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