国内株式市場見通し:日米首脳会談への期待よりもトランプ・ツイートに過剰反応か
[17/02/04]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 市況・概況
先週の日経平均は下落。終値ベースでは1月24日以来の19000円を下回っている。決算発表が前半戦のピークを迎える中で機関投資家は積極的には動けず、指値が膨らみづらい中をインデックスに絡んだ商いに振らされやすい需給状況だった。この需給のなか、トランプ米大統領による大統領令連発が政治的混乱に発展する格好となり、相場の変動要因となった。トランプ大統領は「入国制限に反対した司法長官代行を解任」、オバマ前大統領がオーストラリアと交わした難民受け入れ合意は「ばかげた取引」だとツイッターに投稿し、この合意の取り消しを示唆。難民問題で豪首相と会談中、唐突に電話を切った、とも報じられた。さらに、通貨安批判の矛先が向かうなか、円相場を睨みながらの相場展開となり、円相場は再び1ドル112円台へ。トランプ大統領の強硬な外交手法への警戒感から方向感が掴みづらく、物色は決算を手掛かりとした個別対応にとどまった。
今週もトランプ大統領の発言等に敏感に反応する相場展開が予想される。まずは先週末の米雇用統計の結果を受けた市場反応となるが、1月は非農業部門雇用者数が22万7000人増となり、市場予想の17万5000人を上回った。雇用と景気の拡大を目指すトランプ政権の追い風となりそうだ。ただし、時間当たり平均賃金の前年比の伸びが前月から鈍化したほか、過去分の雇用者数が下方修正されたこにより、3月利上げに対しては慎重論が高まる可能性がある。3日のNYダウは3ケタの上昇から再び2万ドルを回復してきたが、円相場は1ドル112円台での推移となっている。国内では日銀が指値オペを通告したことで日本国債の利回りが低下し、ドル/円は日米金利差拡大への思惑から急上昇した。しかし、予想を上回る米雇用者数増からの利上げ観測は高まらず、為替反応は限られているなか、シカゴ日経225先物清算値は19000円を回復したものの、日本株市場への反応は限られそうである。
今週も多くの企業が決算発表を予定しており、トヨタ自<7203>、ソフトバンクG<9984>などメイン処の決算が予定されている。特にコア銘柄ということもあって市場の関心が集まりやすく、相場全体の方向性にもつながる可能性がありそうだ。ただ、機関投資家は積極的には動きづらい状況は変わらず、そのため先物主導によるインデックス売買の影響を受けやすい。日経平均は心理的は節目の19000円を下回るなか、テクニカル面での抵抗線等も集中している水準であるため、強弱感が対立しやすいだろ。
その他、10日には日米首脳会談がワシントンで行われる。政策期待というよりは、トランプリスクへの警戒感が高まりやすく、より商いを手控えさせることにつながろう。経済指標では7日に12月の米貿易収支、米求人件数、米消費者信用残高が予定されている。イベントでは、7日にソフバンクが「ペッパー」について記者会見を行う。9日からは米シカゴ自動車ショー(プレスデーは9-10日、一般公開は11-20日)が開幕する。AIやEV、自動運手車などのテーマ株物色が意識されよう。
さらに、トランプ大統領は3日、銀行の業務を制限する金融規制の緩和を指示する大統領令に署名した。規制を緩めて銀行による民間企業への融資や投資を拡大し、景気回復の加速を目指す考えであり、銀行に健全な経営を義務づける金融監督・規制改革法(ドッド・フランク法)の見直しが柱となる。ドッド・フランク法は米国で事業を展開する邦銀にも適用されているため、先週末に動意をみせてきていたメガバンクなど金融関連セクターへの物色が活発化する可能性がある。もっとも邦銀には適用しないといった発言も警戒されやすく、よりトランプ大統領のツイートに関心が集まる。トランプ大統領のツイッター・アカウントのフォロワーは2000万人を超えている。トランプAIも多く稼動するなか、分かってはいるものの、ツイートへの過剰反応に翻弄されよう。
<FA>
今週もトランプ大統領の発言等に敏感に反応する相場展開が予想される。まずは先週末の米雇用統計の結果を受けた市場反応となるが、1月は非農業部門雇用者数が22万7000人増となり、市場予想の17万5000人を上回った。雇用と景気の拡大を目指すトランプ政権の追い風となりそうだ。ただし、時間当たり平均賃金の前年比の伸びが前月から鈍化したほか、過去分の雇用者数が下方修正されたこにより、3月利上げに対しては慎重論が高まる可能性がある。3日のNYダウは3ケタの上昇から再び2万ドルを回復してきたが、円相場は1ドル112円台での推移となっている。国内では日銀が指値オペを通告したことで日本国債の利回りが低下し、ドル/円は日米金利差拡大への思惑から急上昇した。しかし、予想を上回る米雇用者数増からの利上げ観測は高まらず、為替反応は限られているなか、シカゴ日経225先物清算値は19000円を回復したものの、日本株市場への反応は限られそうである。
今週も多くの企業が決算発表を予定しており、トヨタ自<7203>、ソフトバンクG<9984>などメイン処の決算が予定されている。特にコア銘柄ということもあって市場の関心が集まりやすく、相場全体の方向性にもつながる可能性がありそうだ。ただ、機関投資家は積極的には動きづらい状況は変わらず、そのため先物主導によるインデックス売買の影響を受けやすい。日経平均は心理的は節目の19000円を下回るなか、テクニカル面での抵抗線等も集中している水準であるため、強弱感が対立しやすいだろ。
その他、10日には日米首脳会談がワシントンで行われる。政策期待というよりは、トランプリスクへの警戒感が高まりやすく、より商いを手控えさせることにつながろう。経済指標では7日に12月の米貿易収支、米求人件数、米消費者信用残高が予定されている。イベントでは、7日にソフバンクが「ペッパー」について記者会見を行う。9日からは米シカゴ自動車ショー(プレスデーは9-10日、一般公開は11-20日)が開幕する。AIやEV、自動運手車などのテーマ株物色が意識されよう。
さらに、トランプ大統領は3日、銀行の業務を制限する金融規制の緩和を指示する大統領令に署名した。規制を緩めて銀行による民間企業への融資や投資を拡大し、景気回復の加速を目指す考えであり、銀行に健全な経営を義務づける金融監督・規制改革法(ドッド・フランク法)の見直しが柱となる。ドッド・フランク法は米国で事業を展開する邦銀にも適用されているため、先週末に動意をみせてきていたメガバンクなど金融関連セクターへの物色が活発化する可能性がある。もっとも邦銀には適用しないといった発言も警戒されやすく、よりトランプ大統領のツイートに関心が集まる。トランプ大統領のツイッター・アカウントのフォロワーは2000万人を超えている。トランプAIも多く稼動するなか、分かってはいるものの、ツイートへの過剰反応に翻弄されよう。
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