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IoTが普及する世界ではサイバー・セキュリティ関連への需要はさらに高まる

注目トピックス 市況・概況
IoT(「Internet of Things」の略で「モノのインターネット」)の普及が拡大とともに、サイバー攻撃が大きな脅威となってきている。これまでのパソコンやスマートフォンではモニター画面、メールからサイバー攻撃を受けている状態が確認できた。しかし、IoT機器は感染に気が付きづらく、ネットワークに接続してある駐車場の監視カメラなどのIoT機器がサイバー攻撃の発信元であったとの報道もされている。

自動車や住居など10年以上の長期に使用するものについては、さらに警戒が必要だ。自動車ではネットワークを通じていつの間にか勝手にプログラムを書き換えられる可能性があるだろうし、住居では火災報知機やインターホン、エアコン、テレビなど様々なものがネットワークにつながり、利便性が高まる一方で、サイバー攻撃の脅威にさらされていることになる。IoT機器は2020年には500億台を超えると予測されており、セキュリティ需要はますます高まることだろう。

2016年12月半ばには米ヤフーが、10億人を超えるユーザーの情報に関する新たな情報漏えいを公表。9月に表面化した同社ユーザー情報の流出とは別件で、規模はそのほぼ2倍となった。情報インフラの構築とアプリケーション・サービスを展開するテクマトリックス<3762>では、米ヤフーの報道を受けて株価は1,750円処から2,000円の大台を回復。2017年3月期の業績をみても、情報インフラ構築の情報基盤事業こそ負荷分散装置の販売が頭打ちになったものの、サイバー攻撃対策などのセキュリティ需要の旺盛な伸びによってセキュリティ対策製品やセキュリティ監視サービス、ストレージ製品の好調など観測されている。

サイバー・セキュリティ対策製品を展開するFFRI<3692>は、IoT機器のセキュリティについて、パナソニック<6752>と共同研究を始めると発表。3,300円処で推移していた株価は1週間程度で4,600円を超える急伸をみせた。

また、海外ハードウェアやソフトウェア製品の輸入販売を手掛け、最先端ネットワーク/セキュリティソリューションを提供しているテリロジー<3356>は、米社やカナダ社のセキュリティ製品販売で独占販売契約の締結を受けて急伸。ストップ高値を交えての上昇となり、2016年10月18日から24日の5日間の上昇率は67%に達した。テリロジーはKELA社(いわゆるThreat Intelligenceを提供する会社であり、イスラエル軍出身のアナリストが立ち上げた会社)と代理店契約を締結している。KELA社は特にDark Netの情報を収集、分析することに長けていて政府機関、金融機関、輸送機関、社会インフラ、大手製造業などに対して、日本では珍しいサービスを提供している。足もとではネクスグループ<6634>と業務資本提携を結び、ネクスグループの親会社であるフィスコ<3807>、同子会社であるカイカ<2315>とセキュリティ分野での業務提携が発表されるなど株価は引き続き昨年来高値圏を維持している。

2016年12月21日上場した セグエグループ<3968>は、ITシステムにおけるITインフラ及びネットワークセキュリティ製品に係る設計、販売、構築、運用、保守サービスを一貫して提供する「ITソリューション事業」を展開する。サイバー・セキュリティ関連としての人気も高まり、初値は公開価格(1,700円)の3倍となる5,500円。2017年2月16日現在の株価は6,710円と初値を上回る水準を維持している。

IoT業界は、その成長とともに、業界そのものがさらなる広がりを見せながら進んでいく様相を呈している。日々進化するIoTの世界に乗り遅れないよう、注目をしていくことが求められることになろう。




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