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来週の相場で注目すべき3つのポイント:米政策運営、英EU離脱手続き、年度末最終週

注目トピックス 市況・概況

■株式相場見通し

予想レンジ:上限19350-下限18850円

来週は、期末要因で機関投資家が動きづらい需給状況のほか、国内外の政治リスクがくすぶるなか、不安定な相場展開が続きそうである。注目されていた米国のオバマケアの代替法案成立を巡る審議については、米議会下院の共和党指導部は24日、法案を取り下げた。トランプ政権が他の政策課題を実行する能力に疑問符が付く結果となり、週明けの市場への影響が警戒される。その他、トランプ大統領がSECの次期委員長に指名したジェイ・クレイトン氏は、経済成長を損ねているとしてトランプ政権が見直しを求めている金融規制改革法(ドッド・フランク法)について、今のところ撤廃に向けた具体的な計画はないと述べていることも重しになりそうだ。

また、英国ではメイ首相が欧州連合(EU)離脱手続き開始を通告する予定である。改めて波乱要因にはならないとみられるが、EU側は離脱交渉が終わるまで、自由貿易協定の交渉には応じない構えを見せているほか、EUの予算の分担金の扱いなど課題は山積み。見極めムードが強まろう。

その為、積極的な売買は限られることになろうが、週前半には3月期決算企業の権利・配当取り最終日を迎えるため、優待や配当志向の物色が強まろう。日経平均はもち合いレンジの下限まで一気に下げ、一時19000円を割り込んだことで値ごろ感もあるため、買いを入れやすい水準である。

また、決算期末を控え、貸株の返済に伴う買い戻しの流れも下支えとして意識されやすいだろう。個人については良好なIPOのなか、需給状況は良好である。先週の日経平均が400円を超える下落局面において、中小型株についても連鎖安の動きがみられたが、その後週末にかけて下落部分を吸収する銘柄も多く、依然として物色意欲は旺盛である。実質新年度相場入りによる先高期待が高まる可能性もありそうだ。

その他、トランプ政権に対する政策実行への不透明感が高まるなか、これまで期待先行で動いていた資金の流れに変化が出てくる可能性がある。一方で、欧州に関しては、17年の各国選挙に絡むリスクをどう回避するかが市場の注目を集めてきた。フランス大統領選への警戒等もあるが、注目されたオランダ下院選は無難に通過。欧州が最悪の結果を順次回避できた場合、米国から欧州への資金シフトが強まる可能性がある。足元では欧州売上比率の高い精密機器セクターにおいても買い戻しとみられ動きが出てきている。欧州関連への見直しも意識しておきたいところである。


■為替市場見通し

来週のドル・円はトランプ政権によるインフラ投資や減税など主要政策の実行が遅れるとの懸念は残されており、リスク選好的なドル買い・円売りがただちに広がる可能性は低いとみられる。トランプ大統領による政策運営の試金石と注目されていた医療保険制度改革(オバマケア代替法案)は最終的に撤回された。超党派によるオバマケア法案修正の動きが出てくるとの指摘はあるものの、トランプ大統領の政権運営に対する懐疑的な見方は後退しない可能性がある。

米連邦準備理事会(FRB)による金利引き上げのペースが加速するとの期待は後退したままであり、米地区連銀総裁など金融当局者が利上げ継続について言及しても市場の反応は限定的か。税制改革に向けたトランプ政権の迅速な取り組みが期待されているが、米金利の先高観はやや後退しており、ドルは心理的な節目である110円を試す可能性は残されている。NYダウの20000ドル割れが視野に入ると市場センチメントはさらに悪化し、リスク回避的なドル売りは強まるとみられる。30日発表の米10-12月期国内総生産(GDP)確報値が改定値を下回った場合もドル売り材料になりそうだ。




■来週の注目スケジュール

3月27日(月):中工業利益、独IFO景況感指数など
3月28日(火):米卸売在庫、米消費者信頼感指数など
3月29日(水):米MBA住宅ローン申請指数、米中古住宅販売成約指数など
3月30日(木):独消費者物価指数速報値、米GDP確報値など
3月31日(金):失業率、鉱工業生産指数、中製造業PMI、米個人消費支出など




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