来週の相場で注目すべき3つのポイント:ルペンリスク、北朝鮮リスク、米暫定予算期限
[17/04/22]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 市況・概況
■株式相場見通し
予想レンジ:上限18850-下限18400円
来週は23日日曜日の仏大統領選第1回投票の結果を受けた市場反応を見極める必要がある。4候補が世論調査の誤差の範囲内でひしめき合う大混戦となっていることもあり、市場参加者にとっても影響は見極めづらいところである。市場はユーロ圏離脱の公約を掲げている極右政党・国民戦線(FN)を率いるルペン氏が大統領となる「ルペンリスク」を警戒。もっとも、市場は最悪のリスクを警戒していた面もあり、イベント通過から過度のリスク警戒は和らぐ可能性はある。一先ずアク抜けに向かいやすく、本格化する決算シーズンに向けて、業績面を手掛かりとした物色に向かわせそうだ。
先週はこれまで低迷していた輸出関連にも買い戻しとみられる動きが出ていたが、不透明要因が払拭されてくるようであれば、さらなる出遅れ修正への期待も高まる。また、トランプ政権の政策期待の高まりからトランプ物色が再燃する流れも期待されてきそうだ。その他、投資主体別売買動向では現物と先物合算で外国人が6週ぶりに買い越しとなった。明確な底打ちは見極めが必要であろうが、トランプ政権への期待感が高まる中、海外勢の需給状況にも変化が見られてきたことは安心感につながる。日経平均は3月からの調整で昨年11月以来の水準まで下げており、いったんはリバウンドが期待されそうだ。とはいえ、週後半から大型連休に入るため、次第に短期的な値幅取り狙いが中心になりやすいと考えられる。決算を手掛かりとした日替わり物色に向かいそうだ。
主要企業に先駆けて20日に決算発表した安川電機<6506>は、市場の想定線といった内容ながら利益確定売りが優勢になったものの、18年2月期(変則決算)の純利益は実質的に過去最高を更新する見込みであり、改めて評価される余地があろう。今週は25日の日本電産<6594>やシマノ<7309>、26日はキヤノン<7751>や花王<4452>、27日はファナック<6954>や任天堂<7974>、コマツ<6301>、アドバンテスト<6857>、前半戦のピークとなる28日にはソニー<6758>やホンダ<7267>などが予定されている。欧州政治情勢やシリア・北朝鮮の地政学リスクへの警戒から調整が続いていたこともあり、決算がアク抜けにつながる展開も意識されよう。
25日には北朝鮮人民軍創軍85周年があり、再び軍事的な挑発に踏み切る可能性に注意は必要である。先週末にはロシア国軍が北朝鮮との国境に向けて装備や部隊を移動させているとの一部報道(大統領府はコメント拒否)もあり、警戒感が高まりそうである。27日は欧州中央銀行(ECB)政策委員会、28日は米政府の暫定予算期限などもある。ただ、北朝鮮については、新たな挑発行動に出なければ、一先ずリスクは後退することになる。また、ECBの政策判断は現状維持が見込まれるほか、米政府の暫定予算期限についても市場で懸念する向きは少ないようだ。
■為替市場見通し
来週のドル・円は弱含みか。23日投開票のフランス大統領選(第1回投票)の結果が注目される。第一回投票で過半数票を獲得する候補者はいないと予想されており、市場関係者の多くは欧州連合(EU)離脱を掲げる国民戦線のルペン党首と中道系独立候補のマクロン前経済相による決選投票になると予想している。
現時点では5月7日の決選投票でマクロン候補が大統領に選出される可能性が高いと予想されており、ユーロ買い・米ドル売りが強まりそうだ。この影響でドルは対円でやや伸び悩む可能性がある。ただし、ユーロ買い・円売りの取引が増えた場合、ドルは対円で下げ渋る可能性がある。
予想に反してマクロン候補が決選投票に進めず、急進左派・左翼党のメランション元共同党首とルペン氏が決戦投票に進出する場合、両者はEU体制に懐疑的であるため、ユーロ売りが強まるとみられている。リスク回避の円買い・ユーロ売りが増える可能性があるため、ドル・円はやや下落する展開が見込まれる。
■来週の注目スケジュール
4月24日(月):独IFO景況感指数、独ハノーバーメッセ、米アルコア決算など
4月25日(火):企業向けサービス価格、米消費者信頼感指数、米キャタピラー決算など
4月26日(水):日銀決定会合、米MBA住宅ローン申請指数、クレディ・スイス決算など
4月27日(木):展望リポート、ECB政策金利、中工業利益、米耐久財受注など
4月28日(金):鉱工業生産指数、米GDP速報値、米政府の暫定予算期限など
4月29日(土):欧首脳会議など
4月30日(日):中製造業PMI、中非製造業PMIなど
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