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【FISCOソーシャルレポーター】もきち♪:ところでバランスシートの削減って何が起こるの?

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以下は、フィスコソーシャルレポーターの個人投資家もきち♪氏(ブログ「もきちのきもち 株とコンピュータ編」「もきちのきもち ゼロから始めるテクニカル分析編」を運営)が執筆したコメントです。フィスコでは、情報を積極的に発信する個人の方と連携し、より多様な情報を投資家の皆様に向けて発信することに努めております。

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※2017年4月25日16時に執筆

3月のFOMC(米連邦公開市場委員会)でバランスシートの削減が議論されていたということで、マーケットではFRB(アメリカの中央銀行に相当:Federal Reserve Board)のバランスシートの削減が話題になっています。

そこで今回はバランスシートのおさらいと、削減による影響について具体的に確認していきたいと思います。

◆バランスシートとは

そもそもバランスシート(貸借対照表:Balance Sheet:B/S)とは企業会計で使われる財務諸表の1つです。

会社法などによって、すべての株式会社に作成と公告が義務付けられています。

一言でいうと、どうやって集めたお金が、どんな形で残っているのかをあらわす表になっています。

人から借りたお金(負債)、出資や内部留保(純資産)など、どうやって集めたお金かを表の右側(貸方)に書きます。

そのお金がその時点で、現金や預金などになっているのか、あすいは生産のための工場や機械などになっているのかといった残っている形を左側(借方)に書きます。

バランスシートの左側と右側の合計は一致します。まさに「バランスシート」なのです。

◆中央銀行のバランスシート

中央銀行のバランスシートは一般の企業と違ってちょっと特殊です。

アメリカは50の州などから成る連邦制の国ですので、中央銀行制度も少し複雑です。そこで、日本銀行の「平成28年度上半期末」時点のバランスシートを例に確認していきます。

まず、バランスシート全体の大きさとなる「資産の部合計額」は約457兆円となっています。

資産の部では、そのうち約398兆円が国債です。資産の部全体の87.0%が国債となっています。

負債及び純資産の部では預金が約323兆円と資産全体の70.6%を占めています。

この預金は通常の銀行と違って一般の個人や会社からの預金ではありません。銀行からの預金です。中央銀行は銀行の銀行なのです。

つまり、「平成28年度上半期末」時点の日本銀行は、銀行からの預金で集めたお金で国債を保有しているということです。

このような中央銀行のバランスシートを削減しようとしたら、国債を売却して資産を減らして、資金を銀行に返して負債を減らすということになります。

◆債券価格と利回り

バランスシートの削減のために中央銀行が国債を市場に売り出すと国債価格が下がります。

債券は、利子に額面と購入価格の価格差を加えたものが収益となり、収益(通常は1年当たり)を購入価格で割ったものが利回りと言われます。額面101万円で1年後に満期を迎える債券を100万円で買ったら(利子はないと仮定)利回り1%ということになります。

国債価格が下がるということは、利回りが上昇するということになります。金利が上昇するのです。

◆米金利上昇による日本市場への影響

アメリカでFRBのバランスシート削減のために国債が売却されると、アメリカの長期金利が上昇します。

アメリカの金利が上昇すると、金利が低い国でお金を借りて金利が高いアメリカの通貨を買って金利差で儲けようとする「キャリートレード」が盛んになります。

日本は超低金利です。日本でお金を借りて、日本円で米ドルを購入する「円キャリートレード」が増加します。

日本円で米ドルを購入するのですから、円売りドル買いの流れです。売られれば安くなるし、買われれば高くなりますので、円安・ドル高要因となります。

円安・ドル高が進めば日本株は上昇しやすくなります。

◆まとめ

アメリカの中央銀行であるFRBがバランスシートを削減しようとすると、アメリカ国債が売られて米金利が上昇し、金利差を利用した円キャリートレードの流れが出てきて円安・ドル高圧力が強まり、日本株が上昇しやすいということになります。

つまり、イエレンFRB議長がバランスシートを削減しようとすると日本株は上昇しやすいということです。

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執筆者名:もきち♪
ブログ名:もきちのきもち 株とコンピュータ編 もきちのきもち ゼロから始めるテクニカル分析編



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