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米国株式市場見通し:主要決算発表やFOMCに注目

注目トピックス 市況・概況
世界情勢を巡る先行き不透明感が後退し、投資家のリスク選好姿勢が回復しつつある。主要決算発表も好調な内容が続いており、今週以降も決算発表や経済指標が堅調となれば、株式相場は素直に反応する展開となりそうだ。一方で、先週に暫定予算期限が5日に延長されており、政府機関閉鎖のリスクに注意が必要だ。2-3日に連邦公開市場委員会(FOMC)が開催される。FOMCでは政策変更の可能性は低いが、声明文などから6月利上げの可能性について何らかの示唆を得られるかが焦点となりそうだ。

今週の経済指標は、3月個人所得・支出(1日)、4月ISM製造業景況指数(1日)、4月ADP雇用統計(3日)、4月ISM非製造業景況指数(3日)、3月製造業受注指数(4日)、4月雇用統計(5日)などの発表が予定されている。来週は、4月輸入物価指数(10日)、4月生産者物価指数(11日)、4月消費者物価指数(12日)、4月小売売上高(12日)などの発表が予定されている。雇用統計は、失業率は4.6%増、非農業雇用者数は前月比19万人増が予想されている。3月に見られた雇用の軟調さは一時的な減少であり、堅調に推移すると考えられる。一方で、消費者物価指数は3月に1年ぶりのマイナス成長となり、今月も軟調な内容となれば、6月の利上げ見通しに影響を与えそうだ。

今週の決算発表は、衛星テレビのディッシュ・ネットワーク(1日)、半導体メーカーのAMD(1日)、ホテル運営のヒルトン・ワールドワイド・ホールディングス(2日)、革製品のコーチ(2日)、製薬のファイザーやギリアド・サイエンシズ(2日)、携帯端末のアップル(2日)、ファストフードのヤム・ブランズ(3日)、通信大手のスプリント(3日)、SNSのフェイスブック(3日)、電気自動車のテスラ・モーターズ(3日)、メディアのバイアコム(4日)などの発表が予定されている。製薬決算は、ジョンソン・エンド・ジョンソンの決算が薬価引き下げ圧力から複数の主要医薬品の売上高が予想を下振れたほか、カーディナル・ヘルスも同様の理由で通期見通しを引き下げており、注意が必要だ。

来週は、食肉メーカーのタイソンフーズ(8日)、製薬のバリアント・ファーマシューティカルズ(9日)、エンターテイメントのウォルト・ディズニー(9日)、口コミサイトのイェルプ(9日)、旅行予約サイトのプライスライン(9日)、半導体のエヌビディア(9日)、スーパーマーケットのホールフーズ(10日)、百貨店のメーシーズやノードストローム(11日)、JCペニー(12日)などの発表が予定されている。ホールフーズは、アクティビスト(物言う投資家)のジャナ・パートナーズが出資比率を引き上げたほか、資産運用会社のニューバーガー・バーマンを身売りの検討を要請しており、今後の動向に注目したい。

28日時点のファクトセット社の集計によるとS&P500構成銘柄の58%が決算発表を終了し、77%が利益、68%が売上高のアナリスト予想を上回った。全体では、先月末時点で9.0%の増益が予想されていたが、12.5%の増益見通しへと大きく改善した。バンク・オブ・アメリカやJPモルガン、キャタピラーやゼネラル・エレクトリックなど、金融と製造業で好決算が見られたことが主因だ。

(Horiko Capital Management LLC)




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