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欧米為替見通し:ドル・円は上値の重い展開か、米FBI長官解任の影響を注視

注目トピックス 市況・概況
今日の欧米市場では、ドル・円は上値の重い展開を予想する。米連邦準備理事会(FRB)の6月利上げ観測や年内バランスシート縮小開始の可能性などから、ドルの上昇基調は続く見通し。ただ、米連邦捜査局(FBI)長官の解任をめぐるトランプ政権の政策運営に対する先行き不透明感が、ドル買いを弱める可能性もあろう。

7日のフランス大統領選以降は市場の懸念要因が後退し、リスク選好的な動きが広がりつつある。ドル・円は前日の海外市場で114円台を回復。その日発表された米国の3月JOLT求人件数の増加で、労働市場の力強さが裏付けられたことにより、FRBの6月利上げ観測がさらに高まり、ドルは上昇基調を強めている。今晩は4月輸入物価指数(21時半)やカシュカリ・ミネアポリス連銀総裁の発言(11日2時20分)などを手がかりに、ドル買いが続く可能性がある。

また、ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁のオランダ議会での演説も注目される。欧州政治リスクが後退したことでユーロの買い戻しが強まり、ユーロ・ドルは昨年11月以来、約6カ月ぶりに節目の1.10ドルをいったん回復。しかし、その後は調整の売りに押され、足元は1.08ドル台で推移している。「フランス大統領選の結果判明をきっかけとした調整はなお余地がある」(ある外為ディーラー)との見方もあり、相対的にドルを押し上げる要因となろう。

一方、ドルの上値を押さえる材料として、FBIのコミー長官の解任が意識されやすい。報道によると、スパイサー大統領報道官は「FBIは米国で最も大事で尊敬されている機関の1つ」との声明を発表したが、解任の理由は明らかにされていない。FBIが昨年11月の大統領選前後のトランプ陣営とロシアとの関係を捜査している最中での長官解任に、様々な憶測が広がりそうだ。ドルは節目の115円が視野に入っているものの、今後トランプ大統領の政権運営への不透明感が重石になるかもしれない。(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】
・20:00 ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁がオランダ議会で演説
・20:00 米・MBA住宅ローン申請指数(先週)(前回:-0.1%)
・21:30 米・4月輸入物価指数(前月比予想:+0.1%、3月:-0.2%)
・01:00 ローゼングレン米ボストン連銀総裁講演(米経済情勢)
・02:00 米財務省10年債入札(230億ドル)
・02:20 カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁質疑応答
・03:00 米・4月財政収支(予想:+1790億ドル、16年4月:-1064.52億ドル)
・06:00 NZ準備銀行が政策金利発表(1.75%に据え置き予想)




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