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新興市場見通し:値動きの軽い材料株・テーマ株が活況、6月IPOのBBも注目

注目トピックス 市況・概況
先週の新興市場では、日経ジャスダック平均が年初来高値を更新し、マザーズ指数も取引時間中の年初来高値に迫るなど堅調に推移した。5月24日の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録公表や25日の石油輸出国機構(OPEC)総会といったイベントを控え、日経平均がややこう着感の強い展開となったことから、値幅取り狙いの物色が値動きの軽い中小型株に向かった。なお、週間の騰落率は、日経平均が+0.5%であったのに対して、マザーズ指数は+3.5%、日経ジャスダック平均は+1.7%だった。

個別では、マザーズ時価総額上位のミクシィ<2121>が週間で2.7%高、サイバーダイン<7779>が同1.7%高、そーせいグループ<4565>が同0.7%高となった。また、新技術に関する論文が材料視されているASJ<2351>や、子会社とPeach Aviationとの仮想通貨に関する業務提携を発表したリミックスポイント<3825>が活況となり、週間のマザーズ上昇率上位に並んだ。バンダイナムコエンターテインメントとの業務提携を発表したドリコム<3793>や、サイバーステップ<3810>、中村超硬<6166>なども週間で2ケタの上昇率となった。反面、エディア<3935>やソレイジア・ファーマ<4597>などが利益確定売りに押された。エディアは5月25日売買分から信用規制が強化されている。ジャスダック主力は、ハーモニック・ドライブ・システムズ<6324>が同4.4%高、平田機工<6258>が同3.2%高となるなど全般堅調だった。平田機工は有機EL関連として物色を集める場面があった。売買代金上位では、日米欧での特許査定が材料視されたラクオリア創薬<4579>や、主力コンテンツ「うたの☆プリンスさまっ♪」の7周年企画が期待材料となったブロッコリー<2706>などが大きく買われた。一方、アエリア<3758>やエン・ジャパン<4849>は利益確定売り優勢となり、一連の株式公開買付け(TOB)が終了したソレキア<9867>などが週間のジャスダック下落率上位となった。

今週の新興市場は、利益確定売りをこなしながら堅調な値動きが続きそうだ。週末に米雇用統計の発表を控え、日経平均は2万円手前でこう着感の強い展開が続くとみられる。ここまでの上昇で高値警戒感が意識されつつも、値動きが軽い中小型の材料株やテーマ株には引き続き個人投資家の物色が向かいやすいだろう。

今週は5月29日に東和フードサービス<3329>、31日にはてな<3930>、トリケミカル研究所<4369>、ACCESS<4813>、6月1日にピープル<7865>などが決算発表を予定している。第1四半期決算を発表するトリケミカル研究所は半導体向け新規材料の需要が好調に推移しており、市場評価も高い。業績が回復基調にあるACCESSも注目されそうだ。東和フードサービスは従前に前期及び今期の業績観測が報じられている。

IPO関連では、ビーブレイクシステムズ<3986>が5月29日、ディーエムソリューションズ<6549>が6月1日、エコモット<3987>が2日からそれぞれブックビルディング(BB)期間となる。ビーブレイクシステムズの仮条件は想定発行価格を上回る水準で設定され、評価の高さが窺える。なお、先週はFringe81<6550>(6月27日、マザーズ)、ツナグ・ソリューションズ<6551>(6月30日、マザーズ)、SYS HD<3988>(6月30日、ジャスダック)の新規上場が発表されている。6月のIPO件数は計6社となった。




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