【FISCOソーシャルレポーター】個人ブロガー三竿郁夫氏:「循環型社会へのチャレンジ!」
[17/06/26]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 市況・概況
以下は、フィスコソーシャルレポーターの個人ブロガー三竿郁夫氏(ブログ「IA工房」を運営)が執筆したコメントです。フィスコでは、情報を積極的に発信する個人の方と連携し、より多様な情報を投資家の皆様に向けて発信することに努めております。
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日本では、2000年に循環型社会形成推進基本法で循環型社会のキーワード3R、Reduce(リデュース)、Reuse(リユース)、Recycle(リサイクル)の考え方が導入され、1次は2003年、2次は2008年、3次は2013年に循環型社会形成推進基本計画が公表された。その間、資源の循環利用率は、1990年の7.7%から、2000年10%、2010年15.3%と順調に上がってきた。2020年の環境庁が示す目標値は、17%である。これらの実現に貢献したのが、日本が培ってきた3Rを支える技術である。
その代表的な技術を分類すると、
(1)有害物質を取り除く技術(水銀、ダイオキシン、PCB、アスベスト等)
(2)マテリアルRecycleの技術 (プラスティック、紙、建材、食品廃棄物等)
(3)廃棄物からエネルギーを生む技術
(4)最終処分技術
等であり、日本の製造業の数々の努力が実を結んでいる。
それらの例をいくつか挙げてみる。
・キユーピー<2809>の卵処理は、(2)食品廃棄物のリサイクルの好例である。主力事業で処理する卵の殻の量は、年間2万5千トン。これらを全て無駄にすることなく、卵殻はカルシウム強化商品、卵殻膜は、化粧品やうまみ調味料に有効活用している。
・JFEホールディング<5411>は、(3)廃棄物からエネルギーを生む技術開発に力を入れている。早々にプラスティック高炉原料化技術に取り組み、使用済みプラスティックを高炉に入れ全てを資源として活用している。最近では、JFEグループのJFEエンジニアリングが、釧路市の石炭・バイオマス混焼発電プラントを受注し、また日本下水道事業団、川崎市とともに汚泥焼却における高効率のボイラータービン発電技術の実用化も目指している。
・トヨタ自<7203>は、工場CO2ゼロチャレンジのスローガンを掲げ、製造工程でのCO2排出削減に本腰を入れている。工場内での燃料電池(FC)を活用した「ハイブリッド発電システム」をはじめ、循環型低酸素を実現できる水素利用拡大を目指す。また、大量利用が進んでいるHVバッテリーのリサイクルでは、源流であるニッケル原料の住友金属鉱山<5713>やプライムEVエナジー等と連携して、リサイクル事業を推進している。
日本の製造業の中でも、環境意識が高く、環境チャンレンジ目標を設定し、それを経営トップのKPIに入れ込むこれら各社の行動力が、長期的な企業成長の視点でも注目に価する。また、その中には海外展開できる有望な日本固有技術が多く、それらを環境問題に悩むアジア各国の課題解決支援に活用することでビジネスを拡大できるチャンスである。
執筆者名:三竿郁夫IA工房代表
ブログ名:「IA工房」
<MT>
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日本では、2000年に循環型社会形成推進基本法で循環型社会のキーワード3R、Reduce(リデュース)、Reuse(リユース)、Recycle(リサイクル)の考え方が導入され、1次は2003年、2次は2008年、3次は2013年に循環型社会形成推進基本計画が公表された。その間、資源の循環利用率は、1990年の7.7%から、2000年10%、2010年15.3%と順調に上がってきた。2020年の環境庁が示す目標値は、17%である。これらの実現に貢献したのが、日本が培ってきた3Rを支える技術である。
その代表的な技術を分類すると、
(1)有害物質を取り除く技術(水銀、ダイオキシン、PCB、アスベスト等)
(2)マテリアルRecycleの技術 (プラスティック、紙、建材、食品廃棄物等)
(3)廃棄物からエネルギーを生む技術
(4)最終処分技術
等であり、日本の製造業の数々の努力が実を結んでいる。
それらの例をいくつか挙げてみる。
・キユーピー<2809>の卵処理は、(2)食品廃棄物のリサイクルの好例である。主力事業で処理する卵の殻の量は、年間2万5千トン。これらを全て無駄にすることなく、卵殻はカルシウム強化商品、卵殻膜は、化粧品やうまみ調味料に有効活用している。
・JFEホールディング<5411>は、(3)廃棄物からエネルギーを生む技術開発に力を入れている。早々にプラスティック高炉原料化技術に取り組み、使用済みプラスティックを高炉に入れ全てを資源として活用している。最近では、JFEグループのJFEエンジニアリングが、釧路市の石炭・バイオマス混焼発電プラントを受注し、また日本下水道事業団、川崎市とともに汚泥焼却における高効率のボイラータービン発電技術の実用化も目指している。
・トヨタ自<7203>は、工場CO2ゼロチャレンジのスローガンを掲げ、製造工程でのCO2排出削減に本腰を入れている。工場内での燃料電池(FC)を活用した「ハイブリッド発電システム」をはじめ、循環型低酸素を実現できる水素利用拡大を目指す。また、大量利用が進んでいるHVバッテリーのリサイクルでは、源流であるニッケル原料の住友金属鉱山<5713>やプライムEVエナジー等と連携して、リサイクル事業を推進している。
日本の製造業の中でも、環境意識が高く、環境チャンレンジ目標を設定し、それを経営トップのKPIに入れ込むこれら各社の行動力が、長期的な企業成長の視点でも注目に価する。また、その中には海外展開できる有望な日本固有技術が多く、それらを環境問題に悩むアジア各国の課題解決支援に活用することでビジネスを拡大できるチャンスである。
執筆者名:三竿郁夫IA工房代表
ブログ名:「IA工房」
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