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欧米為替見通し:ドル・円は小じっかりの展開か、金利差意識の取引

注目トピックス 市況・概況
今日の欧米外為市場では、ドル・円は小じっかりの値動きを予想したい。主要国中銀が金融政策の正常化に前向きな姿勢を示したことで、金利差が意識されやすい。こうしたなか、米経済指標が連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ方針を後押しする内容となれば、ドル買い基調が強まりそうだ。

28日までポルトガルで開催された欧州中央銀行(ECB)フォーラムで、出席した各国中銀の当局者から金融正常化に向けた見解が目立った。英中銀のカーニー総裁は、今月14-15日に行われた金融政策委員会(MPC)後の記者会見などで早期利上げに否定的な姿勢だったが、28日は一転して数カ月以内に利上げを討議する可能性に言及。また、カナダ銀行のポロズ総裁はこれまでの利下げの効果を総括するなど、緩和方針から転換するスタンスを示した。27日のドラギECB総裁によるタカ派寄りの発言も伏線となり、28日は金利差を意識した取引でユーロやポンド、カナダドルなどが対円で大きく上昇した。

こうした各国中銀の動きは、FRBの強気な金融正常化方針を正当化するとみられる。今晩は21時半発表の米国の1-3月期国内総生産(GDP)確定値が注目材料となろう。前月発表された改定値は前期比年率+1.2%と、速報値+0.7%、予想+0.9%をいずれも上回る内容となった。今晩の確定値は改定値から横ばいが見込まれるものの、上方修正されれば「減速は一時的」とするFRBの見解を裏付けることになり、ドル買いが強まる見通し。ただ、医療保険制度改革(オバマケア)代替法案をめぐり米上院が採決の延期を決めたことで、トランプ政策の遅れが懸念され、引き続きドルの上値を押さえる要因となりそうだ。(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】
・17:30 英・5月住宅ローン承認件数(中銀)(予想:6.4万件、4月:6.46万件)
・18:00 ユーロ圏・6月景況感指数(予想:109.5、5月:109.2)
・21:00 独・6月消費者物価指数速報値(前年比予想:+1.4%、5月:+1.5%)
・21:30 米・1-3月期GDP確定値(前期比年率予想:+1.2%、改定値:+1.2%)
・21:30 米・先週分新規失業保険申請件数(予想:24.0万件、前回:24.1万件)
・02:00 ブラード米セントルイス連銀総裁講演(ロンドン、米国経済と金融政策)



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