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国内株式市場見通し:米国の財政運営への懸念がリスク要因に

注目トピックス 市況・概況
先週の日経平均はこう着。米政権に対する不透明感や経済イベント、北朝鮮を巡る地政学リスクにより、模様眺めムードの強い相場展開となった。トランプ米大統領は、政府機関を閉鎖してでもメキシコ国境との壁は造ると明言。米国の財政運営への懸念が上値の重しとなった。また、カンザスシティー連銀が24日から開く経済シンポジウム(ジャクソンホール会合)を控え、ECBのドラギ総裁、米イエレンFRB議長の講演内容を見極めたいとする模様眺めムード。さらに、北朝鮮を巡る地政学リスクについては、米国防総省は米軍と韓国軍が定例の合同軍事演習を21日から実施するなか、緊張が高まる状況となった。

今週についても、引き続きこう着感の強い相場展開になりそうである。注目されたジャクソンホール会合については、欧米中央銀行のトップが金融政策に言及しなかった。もっとも、ドラギ総裁は金融政策に関する新たなメッセージを発することはない見通しとも伝えられていたほか、米イエレン議長については利上げ時期には踏み込まないのがメーンシナリオであり、サプライズは無い。一先ずイベント通過によるアク抜けを意識した物色が期待される。

しかし、トランプ大統領がメキシコ国境の壁建設に関する予算確保ができなければ、政府機関の閉鎖も辞さないと言及するなか、9月末に向けて政府閉鎖といった懸念が次第に強まるため、米国の財政運営への懸念がリスク要因になるだろう。また、今週は米雇用統計が控えている。週半ばに発表されるADP雇用統計の結果等で思惑が高まりやすく、市場に影響を与えそうだ。米経済指標や金融政策、政権運営への不透明感を背景に模様眺めムードが強まりやすく、ポジション圧縮の流れも警戒しておきたい。米経済指標や金融政策、政権運営への不透明感など、米国睨みのなか、物色は個人主体の中小型株にシフトしやすいだろう。

足元の動きをみても、日経平均が直近安値水準でのこう着が続く中、東証1部の騰落銘柄は、概ね値上り銘柄数が上回る状況が目立っていた。出来高が低水準の中、日経平均はインデックスに絡んだ売買により、指数インパクトの大きい値がさ株の影響を受けるものの、個人主体の中小型株への売買は活発である。ゲーム関連などに一服感は出ているものの、次世代電池、ブロックチェーン、省力化、資源といったテーマやセクターには循環物色が見られている。資金の逃げ足の速さは警戒しておく必要があるもの、調整局面のなか、外部環境に振らされ難い中小型株へのリスク回避的な資金流入が続きそうである。

9月に入ると、ゲームショウや米アップルが例年開催する新製品発表イベントに注目が集まりそうだ。また、先週末には国内の広い範囲でインターネットに接続しにくくなる通信障害が発生した。LINEやドワンゴなどのネットサービスのほか、楽天証券などのネット証券、JR東日本の予約サイトなどがつながりにくくなった。専門家はサイバー攻撃の可能性は低いという見方を示しているものの、市場ではサイバーセキュリティ関連への関心が集まりやすいだろう。

経済イベントでは、*29日に7月の家計調査、失業率、有効求人倍率、31日に7月の鉱工業生産指数、8月の中国製造業・非製造業PMIが発表される。9月1日に4-6月期の法人企業統計調査、8月の米雇用統計、ISM製造業景況指数が発表される。予想は失業率4.3%(前回4.3%)、非農業部門雇用者数は前月比+18.0万人。




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