欧米為替見通し:ドル・円は下げ渋りか、108円台では押し目買い意欲
[17/08/28]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 市況・概況
今日の欧米外為市場では、ドル・円は下げ渋る展開を予想したい。米ジャクソンホール会議でのイエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長の慎重な見解を消化する動きで、ややドル売りに振れやすい見通し。ただ、ドル・円の108円台では押し目買い意欲が指摘され、下げは限定的となる可能性がある。
注目されたイエレンFRB議長の講演は、「金融の安定性」というテーマの通り、金融危機後の規制などにとどまり、目先の金融政策に関する言及は避けられた。それによる失望感から、25日のNY市場ではドル売り基調が強まり、週明けのアジア市場でドル・円は109円03銭まで下落した。今晩はロンドン市場がサマー・バンク・ホリデーで休場となるため、欧州大陸市場ではFRBの年内追加利上げ観測の後退を消化する動きとなり、ドル売りが先行しそうだ。
一方、ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁が足元のユーロ高をけん制しなかったことが蒸し返され、ユーロに買い余地が生じるだろう。ただ、ユーロ・ドルは節目の1.2ドル回復が意識され、1.19ドル後半は上値が重くなる見通し。ユーロ・ドルの上昇基調が緩慢となれば、ドル・円にはある程度の下方圧力がかかりやすいものの、下げは限定的となる可能性があろう。また、ある短期筋は「ドル・円の108円台は押し目買いのポイント」と指摘しており、下値は堅そうだ。
ジャクソンホール関連以外では、トランプ米大統領のメキシコ国境付近の「壁」建設をめぐる発言で政府債務上限問題への懸念が続くほか、週末の北朝鮮による飛しょう体発射で地政学リスクもある。反面、コーン米国家経済会議(NEC)委員長がメディアとのインタビューで言及した、米国企業が海外での利益を自国に還流した場合の減税効果への期待もあり、今後の推移を見極めていくことになる。(吉池 威)
【今日の欧米市場の予定】
・17:00 ユーロ圏・7月マネーサプライM3(前年比予想:+4.9%、6月:+5.0%)
・21:30 米・7月卸売在庫速報値(前月比予想:+0.3%、6月:+0.7%)
・23:30 米・8月ダラス連銀製造業活動指数(予想:16.8、7月:16.8)
・00:30 米財務省2年債入札(260億ドル)
・02:00 米財務省5年債入札(340億ドル)
・英国休場(サマーバンクホリデー)
<CS>
注目されたイエレンFRB議長の講演は、「金融の安定性」というテーマの通り、金融危機後の規制などにとどまり、目先の金融政策に関する言及は避けられた。それによる失望感から、25日のNY市場ではドル売り基調が強まり、週明けのアジア市場でドル・円は109円03銭まで下落した。今晩はロンドン市場がサマー・バンク・ホリデーで休場となるため、欧州大陸市場ではFRBの年内追加利上げ観測の後退を消化する動きとなり、ドル売りが先行しそうだ。
一方、ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁が足元のユーロ高をけん制しなかったことが蒸し返され、ユーロに買い余地が生じるだろう。ただ、ユーロ・ドルは節目の1.2ドル回復が意識され、1.19ドル後半は上値が重くなる見通し。ユーロ・ドルの上昇基調が緩慢となれば、ドル・円にはある程度の下方圧力がかかりやすいものの、下げは限定的となる可能性があろう。また、ある短期筋は「ドル・円の108円台は押し目買いのポイント」と指摘しており、下値は堅そうだ。
ジャクソンホール関連以外では、トランプ米大統領のメキシコ国境付近の「壁」建設をめぐる発言で政府債務上限問題への懸念が続くほか、週末の北朝鮮による飛しょう体発射で地政学リスクもある。反面、コーン米国家経済会議(NEC)委員長がメディアとのインタビューで言及した、米国企業が海外での利益を自国に還流した場合の減税効果への期待もあり、今後の推移を見極めていくことになる。(吉池 威)
【今日の欧米市場の予定】
・17:00 ユーロ圏・7月マネーサプライM3(前年比予想:+4.9%、6月:+5.0%)
・21:30 米・7月卸売在庫速報値(前月比予想:+0.3%、6月:+0.7%)
・23:30 米・8月ダラス連銀製造業活動指数(予想:16.8、7月:16.8)
・00:30 米財務省2年債入札(260億ドル)
・02:00 米財務省5年債入札(340億ドル)
・英国休場(サマーバンクホリデー)
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