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欧米為替見通し:ドル・円は弱含みか、北朝鮮問題で年初来安値を意識

注目トピックス 市況・概況
今日の欧米外為市場では、ドル・円は弱含む展開を予想したい。北朝鮮が今朝発射した弾道ミサイルが日本上空を飛行したことで、東アジア地域での緊張に警戒感が強まろう。ドル・円は4月に付けた年初来安値の水準を維持できるか注目される。

北朝鮮が日本海に向けて発射した「火星12」とみられる弾道ミサイルは北海道上空を飛行し、襟裳岬沖の太平洋上に落下した。これまで日本海に落下したケースと異なり、日本
の上空を通過したことで、日本の国土への直接的な被害に対する警戒感が高まった。アジア市場ではリスク回避的な円買いが優勢となり、ドル・円は一時108円34銭まで急落した。その後は、値ごろ感から国内機関投資家などによるドル買いが入ったが、欧米市場ではそうしたドル買いは期待しにくく、ドル・円の一段安が見込まれる。

今晩の海外取引時間帯では、北朝鮮問題に関連し周辺国の動向が材料視される。日米韓の3カ国の要請により、国連安全保障理事会は近く緊急会合を開催する予定。安保理は北朝鮮に対する制裁強化を含めた対応を協議するとみられている。ただ、安保理は今月5日にも北朝鮮に対し石炭輸出の全面禁止の制裁を全会一致で採択したものの、北朝鮮はそれを無視する形で今回の弾道ミサイル発射に踏み切った。目先行われる緊急会合で制裁強化を決議しても、核やミサイルへの脅威は続くだろう。

ドル・円に関しては、欧米市場では北朝鮮問題を背景に売り先行となりそうだ。米テキサス州を襲った大型ハリケーンの影響への懸念もあり、米株売り・長期金利低下・ドル売りが進みやすく、4月に付けた年初来安値108円13銭が意識されよう。(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】
・22:00 米・6月S&PコアロジックCS20都市住宅価格指数(前年比予想:+5.60%、5月:+5.69%)
・23:00 米・8月消費者信頼感指数(予想:120.7、7月:121.1)
・02:00 米財務省7年債入札(280億ドル)



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