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新興市場見通し:不安材料あるがマザーズ指数も戻り試す、PKSHAなど2社IPO

注目トピックス 市況・概況
先週の新興市場では、9月9日の北朝鮮建国記念日を通過し、同国情勢に対する警戒感がいったん後退したことを受けて、週初から買いが先行した。その後は北朝鮮が国連安全保障理事会の追加制裁決議に反発する声明を発表し、大きく売られる場面も見られたが、週全体としては日経平均の上昇による投資家心理の改善を背景に堅調な展開だった。なお、週間の騰落率は、日経平均が+3.3%であったのに対して、マザーズ指数は+3.3%、日経ジャスダック平均は+3.6%だった。日経ジャスダック平均は年初来高値を更新している。

個別では、マザーズ時価総額上位のミクシィ<2121>が週間で0.6%高、サイバーダイン<7779>が同1.9%高、そーせいグループ<4565>が同1.7%高とプラスを確保した。売買代金上位ではメタップス<6172>、ジーエヌアイグループ<2160>、ソレイジア・ファーマ<4597>などが上昇。また、電気自動車(EV)関連として人気化した大泉製作所<6618>、株式分割の実施を発表したソーシャルワイヤー<3929>、空中ディスプレイ製品の量産に向けた試作品が完成したアスカネット<2438>が週間のマザーズ上昇率上位となった。反面、エニグモ<3665>やはてな<3930>が決算を受けて売られた。ジャスダック主力ではセリア<2782>が同6.7%高、ハーモニック・ドライブ・システムズ<6324>が同14.5%高と堅調だった。ハーモニック・ドライブ・システムズは投資評価引き上げの動きが複数観測された。また、EV関連の田中化学研究所<4080>、今期大幅増益見通しの明豊エンタープライズ<8927>などが活況を見せ、菊水電子工業<6912>が週間のジャスダック上昇率トップとなった。一方、五洋インテックス<7519>は利益確定売りに押され急反落した。IPOでは、9月13日上場のエスユーエス<6554>が公開価格の約2.2倍、9月14日上場のウォンテッドリー<3991>が同5.0倍という高い初値を付けた。

今週の新興市場では、日経平均の2万円台回復が視野に入るなか、マザーズ指数は戻りを試す展開が続きそうだ。ただ、25日線水準では戻り売り圧力が強い。個人投資家が地政学リスクに敏感となっているため、引き続き北朝鮮情勢も注視しておきたい。ジャスダックは比較的需給面が良好で、主力株が強い値動きを見せていることもあり、堅調な展開が続きそうだ。

今週はアジア最大級のゲーム見本市「東京ゲームショウ2017」が9月21日から24日(21日、22日はビジネスデイ)まで開催される。CRI・ミドルウェア<3698>やシリコンスタジオ<3907>などが出展を予定している。ドリコム<3793>などゲーム株の見直しに加え、AR/VR(拡張現実/仮想現実)、MR(複合現実)、eスポーツへの関心の高まりにも期待したい。なお、今週は12日にオプトエレクトロニクス<6664>が決算発表を予定している。

IPO関連では、9月20日にニーズウェル<3992>がジャスダックへ、9月22日にPKSHA Technology<3993>がマザーズへ新規上場する。PKSHA Technologyはマザーズ上場案件としては公開規模が大きいが、トヨタ自動車<7203>も注目する人工知能(AI)ベンチャーとして投資家の関心は非常に高いようだ。ニーズウェルもIPOで根強い人気のあるシステム開発会社であり、堅調な初値形成が期待される。




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