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欧米為替見通し:ドル・円は小じっかりの展開か、米税制改正論議の行方に関心

注目トピックス 市況・概況
今日の欧米外為市場では、ドル・円は小じっかりの値動きを予想したい。米連邦準備制度理事会(FRB)の年内追加利上げ観測が広がるなか、米税制改正論議の進展で株買いが強まり、長期金利の上昇も見込まれ、ドル買い基調は継続する見通し。ただ、北朝鮮の核・ミサイル開発をめぐる米朝対立への警戒が、ドル・円の重石となりそうだ。

米FRBのイエレン議長は前日の講演で金融政策に関し、過度に緩やかな政策調整には慎重になるべきで、物価が目標の2%上昇に戻るまで「政策を据え置くのは賢明ではない」などと述べた。また、先の連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見同様、金融正常化に前向きな姿勢を示したことから、NY市場では年内追加利上げ観測が高まり、ドル・円は112円台に上昇。本日のアジア市場にとどまらず、今晩の海外市場でもドル買い基調は続きそうだ。

こうしたなか、トランプ政権の新たな税制改革案の提出が材料視されよう。現行35%の法人税率は20%に引き下げられる見通し。トランプ大統領の選挙公約は15%だが、財政赤字の拡大を回避したい与党・共和党との調整により20%に落ち着くとみられる。個人の所得税に関してもトランプ政権は最高税率を39.6%から35%に引き下げる方針。こうした税制改正論議の進展により経済政策の実現に期待が高まれば、株高・長期金利上昇を通じてドル買い基調を支援しそうだ。

ただ、引き続き北朝鮮問題への警戒による根強い円買いがドル・円の一段の上昇を抑える見通し。トランプ政権は26日、中国やロシア、中東などで北朝鮮の金融業務に携わったとされる人物を新たに制裁の対象に加えた。北朝鮮の核・ミサイル開発につながる資金源を断つのが狙いだが、北朝鮮が報復を示唆する可能性もあり、リスク回避的な円買いは継続しそうだ。(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】
・17:00 ユーロ圏・8月マネーサプライM3(前年比予想:+4.6%、7月:+4.5%)
・20:00 米・MBA住宅ローン申請指数(先週)(前回:-9.7%)
・21:30 米・8月耐久財受注(前月比予想:+1.0%、7月:-6.8%)
・23:00 米・8月中古住宅販売成約指数(前月比予想:-0.5%、7月:-0.8%)
・02:00 米財務省5年債入札(340億ドル)
・02:30 ブラード米セントルイス連銀総裁講演(米国経済と金融政策)
・03:00 ブレイナード米FRB理事講演(マイノリティー・バンカー・フォーラム)
・05:00 NZ準備銀行が政策金利発表(1.75%に据え置き予想)
・08:00 ローゼングレン米ボストン連銀総裁講演(ニューヨーク大学)




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