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欧米為替見通し:ドル・円は上値の重い展開か、欧州通貨の値動きに警戒

注目トピックス 市況・概況
今日の欧米外為市場では、ドル・円は上値の重い展開を予想する。米国の金融正常化を背景としたドル買い基調は続く見通し。ただ、足元で弱含んでいるユーロやポンドなど欧州通貨は期末による買い戻しが観測され、結果としてドルの上昇を抑えそうだ。

米連邦準備制度理事会(FRB)による金融正常化方針の堅持を背景に、米長期金利の上昇を手がかりとしたドル買いに振れやすい地合いが続いている。米10年債利回りは前日の取引で一時2.35%台まで上昇。7月末以来、2カ月ぶりの高水準に強含んだ。その後は伸び悩んでいるものの、本日の海外市場で再び上昇基調が強まれば、ドル・円に買いが入りやすい地合いが見込まれる。

ただ、本日は月末・期末が重なり、このところ買いが後退している欧州通貨の買い戻しが警戒される。17時半発表の英国の4-6月期国内総生産(GDP)確定値や18時のユーロ圏の9月消費者物価指数(CPI)速報値も材料となり、ユーロやポンドが上昇すれば、ある程度ドルを押し下げる要因となろう。

一方、今晩発表の米経済指標は、弱めの予想が目立つ。21時半の8月個人所得や個人消費支出(PCE)、22時45分の9月シカゴ購買部協会景気指数はいずれも前回を下回るとの予想。8月コアPCE価格指数は前月から横ばいの見通しだが、年初の+1.8%から低下傾向が続き、FRB目標の+2.0%から次第に遠ざかっている。今回さらに低下すれば、追加利上げ観測によるドル買いは慎重になりそうだ。

さらに、日本の政治情勢も次第に材料視される見通し。ある短期筋は「海外勢から先行きに関する問い合わせが増えている」と話す。10月22日投開票の衆院選で安倍晋三首相の退陣や新党大躍進の可能性は、政策の継続性の点でネガティブな材料となり、目先の円買い要因となるだろう。(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】
・16:55 独・9月失業率(予想:5.7%、8月:5.7%)
・17:30 英・4-6月期GDP確定値(前年比予想:+1.7%、改定値:+1.7%)
・17:30 英・4-6月期経常収支(予想:-159億ポンド、1-3月期:-169億ポンド)
・17:30 英・8月住宅ローン承認件数(中銀)(予想:6.73万件、7月:6.87万件)
・18:00 ユーロ圏・9月消費者物価指数速報値(前年比予想:+1.6%、8月:+1.5%)
・21:00 南ア・8月貿易収支(予想:+21億ランド、7月:+90億ランド)
・21:30 米・8月個人所得(前月比予想:+0.2%、7月:+0.4%)
・21:30 米・8月個人消費支出(前月比予想:+0.1%、7月:+0.3%)
・21:30 米・8月コアPCE価格指数(前年比予想:+1.4%、7月:+1.4%)
・21:30 カナダ・7月GDP(前月比予想:+0.1%、6月:+0.3%)
・22:45 米・9月シカゴ購買部協会景気指数(予想:58.7、8月:58.9)
・23:00 米・9月ミシガン大学消費者信頼感指数確報値(予想:95.3、速報値:95.3)
・24:00 ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁講演(フィンテック関連イベント)



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