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新興市場見通し:マザーズにも資金流入の兆し、好調IPOは11月案件が進行

注目トピックス 市況・概況
先週の新興市場では、日経平均が10月24日まで歴代最長となる16日続伸を達成し、27日には約21年ぶりに22000円台を回復するなか、マザーズ指数や日経ジャスダック平均も週後半にかけて上昇した。これまで主力大型株優位の相場展開が続き、マザーズ指数はもち合いが続いてきた。しかし、大型株の株価上昇で資金余力が増した個人投資家の一部が出遅れ感のある中小型株に買いを入れ始めているようだ。なお、週間の騰落率は、日経平均が+2.6%であったのに対して、マザーズ指数は+2.7%、日経ジャスダック平均は+2.4%だった。

個別では、マザーズ時価総額上位のサイバーダイン<7779>が週間で1.4%安となる一方、ミクシィ<2121>が同2.0%高、そーせいグループ<4565>が同4.3%高とややリバウンドを見せた。ただ、まだ上値の重さも窺える。直近IPO銘柄のPKSHA Technology<3993>はもみ合いが続き同1.8%安だった。その他のマザーズ売買代金上位では、直近IPO銘柄のMS&Consulting<6555>やウォンテッドリー<3991>などが買われた。また、オウチーノ<6084>やメドレックス<4586>が週間のマザーズ上昇率上位となった。反面、前期決算を発表したメタップス<6172>が下落率トップだった。ジャスダック主力では、セリア<2782>が同4.0%高、ハーモニック・ドライブ・システムズ<6324>が同3.6%高と堅調だった。売買代金上位では、ドライブレコーダー関連とされるオートウェーブ<2666>や業績上方修正のUEX<9888>などが大きく買われ、ピクセルカンパニーズ<2743>やアール・エス・シー<4664>が週間のジャスダック上昇率上位だった。一方、五洋インテックス<7519>、旭化学工業<7928>、重松製作所<7980>などは利益確定売りに押された。IPOでは、10月26日上場のSKIYAKI<3995>が公開価格の約2.5倍となる高い初値を付けた。また、25日上場のシルバーライフ<9262>やテンポイノベーション<3484>も堅調な初値形成となった。

今週の新興市場は、相場全体の好地合いを背景に堅調な展開が続きそうだ。足元では7-9月期の決算発表が本格化し、LINE<3938>など値を飛ばす大型株が散見されている。このため市場の関心が好決算の大型株に向かいやすい面もあるが、個人投資家の需給改善に伴い出遅れ感の強いマザーズ銘柄などにも資金が向かうだろう。

今週は、10月30日にドリコム<3793>、弁護士ドットコム<6027>、スパークス・グループ<8739>、31日に幼児活動研究会<2152>、ユナイテッド<2497>、セリア、テクノホライゾン・HD<6629>、京写<6837>、11月1日にホリイフードサービス<3077>、MS-Japan<6539>、2日にラック<3857>、ニッポン高度紙工業<3891>などが決算発表を予定している。ドリコムは上期業績を修正済みで、第3四半期の見通しが注目される。ニッポン高度紙工業も10月27日引け後に今期業績予想の上方修正を発表している。

IPO関連では、10月31日にCasa<7196>が東証2部へ新規上場する。家賃債務保証を手掛け、事業環境は良好との見方が多い。しかし、公開規模の大きさが需給面のネックとなりそうだ。また、11月2日からはサインポスト<3996>のブックビルディング期間となる。なお、先週はポエック<9264>(11月28日、ジャスダック)など4社の新規上場が発表されている。11月のIPO件数は計6社となった。




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