ビットコインのフェアバリューはいくらか、著名人の高値予想は100万ドル超【フィスコ・ビットコインニュース】
[17/12/21]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 市況・概況
2017年初頭には12万円でスタートしたビットコイン価格は12月18日時点で220万円を超えて過去最高値を更新し、18倍以上の上昇を見せている。2018年以降、ビットコインの価格はどこまで到達することになるのだろうか。今後のビットコイン価格についてはさまざまな著名人がその予想を述べており、ここに一部紹介する。
フェイスブックの創設に関わった著名投資家であるウィンクルボス兄弟は、ビットコインの価格は12月8日時点の1ビットコイン(BTC)=16,500ドル(約185万円)からさらに10〜20倍は上昇すると発言している。ウィンクルボス兄弟は仮想通貨取引所ジェミニの創設者であり、数年前と初期の段階からビットコインのETF(上場投資信託)の承認を得るべく米証券取引委員会に申請を行うなどの取り組みを見せている。
コンピュータセキュリティ関連の世界最大ベンダーであるマカフィーの創業者、ジョン・マカフィー氏は「2020年までに100万ドル(約1.1億円)を超える」と予想する。これは、同氏が今年7月、ビットコイン価格は2017年末までに5,000ドル(56万円)を超えると見ていた値が予想を上回る早さで到達されたことによる修正だ。
金融業界にもさまざまな価格予想が存在する。元JPモルガン・チェースのストラテジストでファンドストラット社の共同創設者あるトーマス・リー氏は、2018年半ばには25,000ドル(280万円)に到達すると見ている。これに近い値として、ビットコインに初期から投資する起業家のトレイス・メイヤー氏は「2018年2月までに27,395ドル(約307万円)」とする。
一方、デンマークの投資銀行サクソバンクのアナリストは、2017年5月時点では「今後10年間で10万ドル(約1,120万円)」と予測していたが、2017年12月には「1,000ドル下落(約11万円)まで下落」としている。これは、年明けにビットコイン価格は6万ドルでピークを迎えるが、その後複数の国家が仮想通貨に対する規制に踏み込み、さらには国家として独自の仮想通貨を作成するところが出てくることなどが予想されることから1,000ドルになるという見立てだ。
この他、未来予測プログラム「ウェブボット」は、2018年秋に1ビットコイン(BTC)=220万円という予想値を出している。
ビットコインはバブルだ、と捉える熟練投資家は多い。著名なウォーレン・バフェット氏や、バフェット氏よりもさらに好成績の運用を維持してきた世界最高峰の投資家であるカール・アイカーン氏などがその例といえる。一方で、テクノロジー分野への投資に取り組んできた投資家は異なる視点を持つ。
米ヤフーの創業創設者であるジェリー・ヤン氏は、ビットコインはまだ未成熟であり、現時点では投資対象としての利益追求で動く部分が多いようにみえるとしながらも、将来的にデジタル通貨は社会に対して大きな役割を持つ可能性を秘めていると見る。
また、元米投資会社のヘッジファンドマネージャーであり資産が多いことで著名な投資家のマイケル・ノボグラッツ氏は、中期的にはビットコイン価格はもっと上昇すると考えている。同氏はビットコインを、金に代わって資産を保有する手段としての価値を持つと考えるが、同時に総資産の1〜3%を投資するにとどめておくべきとする。
ビットコインのフェアバリューはいくらかという面においては、様々なアプローチがあり得る。ここでは1つのアプローチとして、ビットコインのブロックチェーン上におけるユニークアドレス件数をもとにフィスコが試算したフェアバリューをご紹介する。これは、ビットコインをネットワークとして捉えたとき、ユーザー数の上昇がネットワークの価値と比例するという考え方に基づいたもので、実際にユニークアドレス件数の二乗とビットコイン価格の相関性は非常に高い。
ユニークアドレス件数はビットコインの注目が高まりつつあった2013年と比較しても、足もとの平均で10倍程度、実数では15倍程度の高い伸びを示している。ニュートラルなシナリオとしてユニークアドレス件数が年率70%増の勢い(足もと2017年10-12月の伸びと2017通年の伸びの中間)を保った場合、我々の2020年末におけるビットコイン価格の想定は246,930米ドル(約2,780万円)である。
2017年10月から12月にかけての非常に高い年率100%というユニークアドレス件数の伸びを達成するというアッパーシナリオでは、我々の2020年末におけるビットコイン価格の想定は941,962米ドル(1億597万円)となる。
実は、アッパーシナリオについては、更に上値を想定できる状況にもある。ユニークアドレスについては90日平均を採用しており、年末にかけて数値が上昇することほぼ確実だ。2017年末の想定される数値で2020年末のビットコイン価格を試算すると、1,582,956ドル(1億7,808万円)という数値が計算される。
以上がビットコインのユニークアドレスによる試算だが、ビットコインが有する価値の保全という意味において、金(ゴールド)との比較も有意であろう。金の時価総額を過去5年間で平均すると約7.8兆ドル(約878兆円)である。一方、足元のビットコインの時価総額は現在、約3,200億ドル(約36兆円)だ。金と同等程度の評価となれば、ビットコインの価格は461,729ドル(約5,195万円)がめどとなる。
ビットコイン価格のファンダメンタルズはこれまで、ビットコインの新規発行量が半減する節目として定期的に訪れる半減期、コインの分岐やマイニング(新規通貨発行作業)に関わる政治問題、また今後のビットコインの送金キャパシティを巡る技術的な問題などビットコイン特有の話題が価格に影響する場合が多かった。しかし、先物上場などによる大幅な市場規模の拡大という期待感を前に事情は変わり始めているといえよう。
フィスコ取締役 中村孝也
フィスコデジタルアセットグループ代表取締役 田代昌之
<SI>
フェイスブックの創設に関わった著名投資家であるウィンクルボス兄弟は、ビットコインの価格は12月8日時点の1ビットコイン(BTC)=16,500ドル(約185万円)からさらに10〜20倍は上昇すると発言している。ウィンクルボス兄弟は仮想通貨取引所ジェミニの創設者であり、数年前と初期の段階からビットコインのETF(上場投資信託)の承認を得るべく米証券取引委員会に申請を行うなどの取り組みを見せている。
コンピュータセキュリティ関連の世界最大ベンダーであるマカフィーの創業者、ジョン・マカフィー氏は「2020年までに100万ドル(約1.1億円)を超える」と予想する。これは、同氏が今年7月、ビットコイン価格は2017年末までに5,000ドル(56万円)を超えると見ていた値が予想を上回る早さで到達されたことによる修正だ。
金融業界にもさまざまな価格予想が存在する。元JPモルガン・チェースのストラテジストでファンドストラット社の共同創設者あるトーマス・リー氏は、2018年半ばには25,000ドル(280万円)に到達すると見ている。これに近い値として、ビットコインに初期から投資する起業家のトレイス・メイヤー氏は「2018年2月までに27,395ドル(約307万円)」とする。
一方、デンマークの投資銀行サクソバンクのアナリストは、2017年5月時点では「今後10年間で10万ドル(約1,120万円)」と予測していたが、2017年12月には「1,000ドル下落(約11万円)まで下落」としている。これは、年明けにビットコイン価格は6万ドルでピークを迎えるが、その後複数の国家が仮想通貨に対する規制に踏み込み、さらには国家として独自の仮想通貨を作成するところが出てくることなどが予想されることから1,000ドルになるという見立てだ。
この他、未来予測プログラム「ウェブボット」は、2018年秋に1ビットコイン(BTC)=220万円という予想値を出している。
ビットコインはバブルだ、と捉える熟練投資家は多い。著名なウォーレン・バフェット氏や、バフェット氏よりもさらに好成績の運用を維持してきた世界最高峰の投資家であるカール・アイカーン氏などがその例といえる。一方で、テクノロジー分野への投資に取り組んできた投資家は異なる視点を持つ。
米ヤフーの創業創設者であるジェリー・ヤン氏は、ビットコインはまだ未成熟であり、現時点では投資対象としての利益追求で動く部分が多いようにみえるとしながらも、将来的にデジタル通貨は社会に対して大きな役割を持つ可能性を秘めていると見る。
また、元米投資会社のヘッジファンドマネージャーであり資産が多いことで著名な投資家のマイケル・ノボグラッツ氏は、中期的にはビットコイン価格はもっと上昇すると考えている。同氏はビットコインを、金に代わって資産を保有する手段としての価値を持つと考えるが、同時に総資産の1〜3%を投資するにとどめておくべきとする。
ビットコインのフェアバリューはいくらかという面においては、様々なアプローチがあり得る。ここでは1つのアプローチとして、ビットコインのブロックチェーン上におけるユニークアドレス件数をもとにフィスコが試算したフェアバリューをご紹介する。これは、ビットコインをネットワークとして捉えたとき、ユーザー数の上昇がネットワークの価値と比例するという考え方に基づいたもので、実際にユニークアドレス件数の二乗とビットコイン価格の相関性は非常に高い。
ユニークアドレス件数はビットコインの注目が高まりつつあった2013年と比較しても、足もとの平均で10倍程度、実数では15倍程度の高い伸びを示している。ニュートラルなシナリオとしてユニークアドレス件数が年率70%増の勢い(足もと2017年10-12月の伸びと2017通年の伸びの中間)を保った場合、我々の2020年末におけるビットコイン価格の想定は246,930米ドル(約2,780万円)である。
2017年10月から12月にかけての非常に高い年率100%というユニークアドレス件数の伸びを達成するというアッパーシナリオでは、我々の2020年末におけるビットコイン価格の想定は941,962米ドル(1億597万円)となる。
実は、アッパーシナリオについては、更に上値を想定できる状況にもある。ユニークアドレスについては90日平均を採用しており、年末にかけて数値が上昇することほぼ確実だ。2017年末の想定される数値で2020年末のビットコイン価格を試算すると、1,582,956ドル(1億7,808万円)という数値が計算される。
以上がビットコインのユニークアドレスによる試算だが、ビットコインが有する価値の保全という意味において、金(ゴールド)との比較も有意であろう。金の時価総額を過去5年間で平均すると約7.8兆ドル(約878兆円)である。一方、足元のビットコインの時価総額は現在、約3,200億ドル(約36兆円)だ。金と同等程度の評価となれば、ビットコインの価格は461,729ドル(約5,195万円)がめどとなる。
ビットコイン価格のファンダメンタルズはこれまで、ビットコインの新規発行量が半減する節目として定期的に訪れる半減期、コインの分岐やマイニング(新規通貨発行作業)に関わる政治問題、また今後のビットコインの送金キャパシティを巡る技術的な問題などビットコイン特有の話題が価格に影響する場合が多かった。しかし、先物上場などによる大幅な市場規模の拡大という期待感を前に事情は変わり始めているといえよう。
フィスコ取締役 中村孝也
フィスコデジタルアセットグループ代表取締役 田代昌之
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