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国内株式市場見通し:日経平均は高値意識、先高観の強い状況下で中小型株物色へ

注目トピックス 市況・概況
先週の日経平均は上昇。米税制改革法案の年内成立が意識されるなか、金融セクターのほか、指数インパクトの大きい値がさハイテク株の上昇が、日経平均を340円超押し上げる格好から始まった。しかし、その後は米税制改革法案の成立が確実視されるも、これを見極めたいとする模様眺めとなった。20日の米国市場は税制改革法案の上下院での可決を受けて、材料出尽くし感から利益確定の流れが優勢となった。この流れを受けた日本株市場も利食い先行となり、22700-22900円処でのこう着感の強い相場展開が続いた。

今週はいよいよ2017年の大納会を迎える。海外勢はクリスマス休暇で参加者は限られるため、閑散な取引になろう。そのため、今週もこう着感の強い相場展開が続くことになりそうだ。ただし、積極的な上値追いはないものの、先高観の強い状況の中、押し目買い意欲は強いだろう。日経平均は薄商いの中、先物主導によるインデックス売買に振らされやすいだろうが、足元で煮詰まり感が台頭しており、トレンドが出てくるとすれば、もち合いレンジの上放れは意識しておきたいところ。23000円処が上値抵抗として意識されているが、これを捉えてくるようだと、薄商いの中でトレンドが出やすく、11月9日高値23382.15円突破の可能性もありそうだ。トランプ米大統領は22日、10年間で1兆5000億ドル(約170兆円)の減税をともなう税制改革法案に署名した。法人減税をはじめとする新たな税制が来年1月から実施されることが確定した。織り込み済みではあるが、減税効果に期待した物色も強まりやすいだろう。

海外市場はクリスマスの祝日で休場を挟むため、海外の影響も受け難く、物色としては個人主体の中小型株が中心になろう。2018年も注目されよう政府主導の働き方改革の他、仮想通貨、次世代電池といった関連銘柄に対する物色が強まるとみておきたい。また今週もIPOがあるが、個人の需給状況は良好であり、ジャスダックに上場するABホテル辺りが人気化しそうだ。また、直近IPO銘柄についても、初値形成後の調整一巡感から見直す動きもみられており、リバウンドを狙った短期筋の資金流入も意識される。薄商いの中をインデックスに絡んだ売買に振らされる他は、マザーズやJASDAQ、東証2部銘柄といったところでの一段高を狙った動きが活発化しよう。

また、来年は4日からの取引となるが、海外は元旦空け後2日から取引が再開される。海外市場の動向を受けたスタートとなるため、年末の海外市場の動向次第では、年初高を意識した先回り的な動きもでてきそうだ。

年内の経済スケジュールでは、週明 25日の米株式・債券市場と、ブラジル、英独仏、香港、インドの株式市場はクリスマスで休場となる。26日に11月の消費者物価指数(CPI)、11月の完全失業率、家計調査、有効求人倍率が発表されるほか、日銀の黒田総裁が経団連で講演する。27日に12月の米消費者信頼感指数が発表され、28日に日銀が金融政策決定会合における主な意見(12月20、21日分)を公表する。そして、29日に東京証券取引所が大納会を開く。

来週に入ると、1月3日に欧州連合(EU)の金融・資本市場の包括的な規制、第2次金融商品市場指令(MiFID2)が施行される。アルゴリズム取引など市場環境を取り巻く変化への対応や、デリバティブ取引に関するルール導入、株式以外の金融商品への規制適用など投資家保護の強化と市場の透明性向上を図るために策定された。システム対応が間に合わないとの報道も聞かれており、システム障害等の影響は警戒しておきたい。その他、2日に12月の中国財新製造業PMI、3日に12月の米ISM製造業景気指数、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨、4日に12月の中国財新総合PMI・財新サービス業PMI、12月のADP全米雇用報告、5日に12月の米ISM非製造業景況指数、12月の米雇用統計が発表される。




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