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エストニア、国家によるICO「エストコイン」のビジョンが一部明らかに【フィスコ・ビットコインニュース】

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エストニアはテクノロジー先進国を目指し、公的サービスの電子化を進めてきた。電子居住権(e-レジデンシー)という、外国人にインターネット上で自国民に準じた行政サービスを提供する制度などの取り組みを行っている。

こうした取り組みの一環として、エストニアでは以前から国家によるICO(イニシャル・コイン・オファリング、電子トークンを利用した資金調達方法の一種)の計画が発表されていた。セールに出されるのは、エストコインと呼ばれるデジタル通貨だ。

国家によるICOという取り組みに注目が集まるエストコインだが、そのビジョンの一部をエストニア政府の電子化担当であるカスパー・コージュス氏がブログで明らかにした。

ブログ記事の中では、デジタル通貨の様々な使い方や電子居住権との関係などについて述べ、3つのユースケースが言及されている。

1つ目に挙げられているのは、エストコインを利用するコミュニティの形成と、コミュニティ内での利用の活発化だ。これは電子居住権を活用する人々による「デジタル国家」を作り出すというエストニアのねらいが背景にある。

エストコインに利用を促すために、エストコインの利用や決済導入を企業に促す報酬制度などを視野に置いているようだ。また、ICO活動の信頼性を高めるため、ICOへの参加にあたって電子居住権を使用するように投資家や起業家に促すプランもあるという。

2つ目のビジョンは、政府発行のコインという信頼性を活かした取り組みだ。書類へのデジタル署名や、サービスへのログイン、またオンライン上の契約履行など、ブロックチェーンを基盤とするトークンであるという利点を可能な限り活かし、デジタル上の取引の安全性向上に活用させる。

3つ目に挙げられているのは、ユーロに固定されたトークンにするという点だ。ただし、これに対しては非難の声もあがっている。

欧州中央銀行のマリオ・ドラギ総裁は、9月にどの加盟国も自国の通貨を作り出すことはできないと述べ、ユーロ区域の通貨はユーロであると明言している。一方でエストニアのコージュス氏は、エストニアがユーロに代替通貨を提供することは決してないとしたうえで、電子居住権コミュニティ内での制限を設けることができるとしている。

コージュス氏はさらに、これまで世界中からの反応を注意深く観察してきたと述べ、それにより、エストコインをどのように組み立てていくかだけでなく、なぜ人々がエストコインを保持しようとしているのかについても理解を深めてきたとしている。中国、ロシアなど自国の仮想通貨を作成しようとする試みを明らかにする国が増えている中、エストコインの行方が注目される。



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