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欧米為替見通し:ドル・円は上げ渋りか、米CPI上昇予想もFOMC議事録に警戒

注目トピックス 市況・概況
11日の欧米外為市場では、ドル・円は上げ渋る展開を予想したい。米国のインフレの上昇を受けて利上げペース加速観測が高まり、ドル買いに振れやすい。ただ、連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨がタカ派的な内容になり、景気への影響が懸念されてドルの上昇を抑える可能性もある。

前日発表された米国の3月生産者物価指数(PPI)は前月比+0.3%と予想に反して伸びが拡大、今晩発表となる3月消費者物価指数(CPI)も前年比+2.4%と、2月の+2.2%よりも強い内容が予想され、連邦準備制度理事会(FRB)の引き締め加速に思惑が広がりやすい。また、今晩は3月20-21日に開催されたFOMCの議事要旨も公表される。同会合では今年の利上げ回数が17年12月時点と同様の3回となり、利上げペース加速観測が後退して、失望のドル売りに振れた。しかし、議論の内容がタカ派寄りになることが警戒され、加速観測が再燃する可能性があろう。

ただし、前週末にパウエルFRB議長が講演した際、金融正常化の方針を維持する姿勢を示したが、政策金利の上昇は景気腰折れにつながるとの観測からドル売りに振れる場面もあった。このため、今晩公表されるFOMC議事要旨の内容がタカ派的であっても、素直にドル買いに振れるとは限らないとみられる。

加えて、トランプ政権の外交政策がドルの重しとなろう。米中貿易戦争は回避されるとの見方が広がっているが、米国が今後輸入制限の品目を広げる可能性はなおくすぶっており、懸念は完全に払しょくされていない。一方、シリアで反アサド政権の拠点が化学兵器
による攻撃を受けたとされる問題で、トランプ大統領はシリアへの軍事攻撃の可能性を示唆。英国内でのロシア元スパイの殺人未遂事件を伏線に、欧米諸国はアサド政権を支持するロシアと対立を深めており、今後の地政学リスクへの警戒がドル買いを抑える可能性もある。

【今日の欧米市場の予定】
・17:30 英・2月貿易収支(予想:-119.00億ポンド、1月:-123.25億ポンド)
・17:30 英・2月鉱工業生産(前月比予想:+0.4%、1月:+1.3%)
・20:00 ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁講演
・20:00 米・MBA住宅ローン申請指数(先週)(前回:-3.3%)
・21:30 米・3月消費者物価指数(前年比予想:+2.4%、2月:+2.2%)
・02:00 米財務省10年債入札(210億ドル、リオープン)
・03:00 米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨録公表(3月20-21日分)
・03:00 米・3月財政収支(予想:-1860億ドル、17年3月:-1762.32億ドル)



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