虫とり小僧:草食系投資?…インデックス投資とは【FISCOソーシャルレポーター】
[18/05/23]
提供元:株式会社フィスコ
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以下は、フィスコソーシャルレポーターの個人投資家、虫とり小僧氏(ブログ:いつか子供に伝えたいお金の話、ツイッター:@mushitori)が執筆したコメントです。フィスコでは、情報を積極的に発信する個人の方と連携し、より多様な情報を投資家の皆様に向けて発信することに努めております。
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※2018年5月14日21時に執筆
「そもそも、インデックス投資ってなんなの?」という質問を、たまに自分のブログのメールフォームからいただくことがあります。
私なりに理解し、実際に約13年間継続している国際分散インデックス投資について、ごく簡単な説明を試みます。
◎メリット・デメリットなど
インデックス投資(パッシブ投資)とは、世界中の株式や債券などに分散投資をして、市場の平均値を得ようとする投資法です。
年金基金や生命保険会社などの機関投資家は当たり前に採用している投資方法なので、間接的には多くの方々がインデックス投資をしているはずです。
長所は、手間がかからない・幅広く分散できる・低コストである・リスクをコントロールしやすい・誰にでも実践できて、素人でもプロと同等かそれ以上の結果を残せる、ってなトコでしょうか。
一方、短所は短期間で大きな利益は期待できない・面白みや刺激が少ない・指数に入っているすべての株式を買うため、ダメな企業の株式なども買い支えてしまう、ってなカンジでしょうか。
◎具体的には
もう少し細かい話をすると、インデックス投資は、代表的な株価指数(インデックス=平均)である日経平均株価やTOPIX、アメリカのNYダウ平均やS&P500などと同じ値動きを目指す投資になります(債券市場などにも色々なインデックスがあります)。
しかし、だからといって、例えば日経平均に含まれるすべての銘柄を個別に購入するわけではなく、それらが全部パッケージ化されたインデックス型の投資信託を購入することで簡単に実践できます(月々500円からの投信自動積み立てに対応している証券会社もあります)。
ポイントは、国内株式・国内債券・外国株式・外国債券などの各資産(アセットクラス)を、どの程度の割合で保有するのかというところでしょう。その保有比率や、そもそも自分の金融資産のうちどれくらいの金額を投資に割り当てるのかなどによって、インデックス投資家も様々なタイプに分かれることになります。
・・と、こんな話を始めてしまうと、ずいぶん難しいことに聞こえるかもしれませんが、例えば、世界中の株式や債券に分散投資をするタイプのバランスファンドに投資をすれば、それだけでも立派な「インデックス投資家」です。
※インデックス投資がマイナーなのは、それを実践するための投資信託が、金融機関にとって儲けの少ない商品だからかもしれません。買い手にとって低コストな良品であるということは、売り手にとっては利幅の少ない商品ということですから・・
◎草食系投資なんて言われてるけど・・
預貯金外にお金の置き場を知らなかった人にとって、株式や債券などの「リスク資産」に投資を行うことはかなりのハードルになると思いますが、その中ではインデックス投資はもっとも草食系で手間のかからないものだといわれています。仕事やプライベートの時間を侵食することなく、簡単に実践できるからでしょう。
過去のデータを見ると、世界中の株式と債券をその時価総額比(最もメジャーな分散度合い)で半分くらいずつ持ち続けていれば、年率平均で6%以上のリターンがあったことも事実です(※2018年4月末の時点で、過去30年間のデータを見た場合)。
ただし、あくまでも長い目で見て平均的にはそのようなリターンがあったということなので、短期的には、投資元本が半分以下になるような事態も起こりえます。積み立て方式で10年以上続けていれば、元本割れする可能性は低いでしょうが、リスク資産に投資を行うならば、そのような(元本割れの)覚悟も必要になってくるでしょう。投資をするからには、ある程度「腹の括り」も必要です。
◎各自にマッチした投資スタンスをみつけましょう
経済や景気の見通しについて、自分よりも明らかにアタマが良くて知識も経験も豊富な識者たちが、それぞれ異なった考え(ときには対極を構え、かつどちらも説得力がある)を持っていることを見ても、将来の不確実性を痛感させられます。
そして、それは同時に、自分の金融資産を預貯金だけで保有していたとしても、絶対に大丈夫だとは言い切れないことにもつながります。
期待リターンがプラスである株式や債券のような様々な性質の資産を持っていれば、何かが儲かっても何かが損するような状況になることもありますが、全体としてみれば下落時のダメージを軽減でき、長期的には利益が出やすいことも学問的に裏づけられています(現代ポートフォリオ理論)。
もちろん、これが唯一の正解ではありませんし、必ず儲かる保証もありません。
ただし、インデックス投資をしていて、30年後に大損しているようであれば、ほとんどの金融機関も破綻して、資本主義も崩壊し、北斗の拳の世界のような状態になっているだろう、くらいには考えています。
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執筆者名:虫とり小僧
ブログ名:いつか子供に伝えたいお金の話
ツイッター名:虫とり小僧(@mushitori)
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※2018年5月14日21時に執筆
「そもそも、インデックス投資ってなんなの?」という質問を、たまに自分のブログのメールフォームからいただくことがあります。
私なりに理解し、実際に約13年間継続している国際分散インデックス投資について、ごく簡単な説明を試みます。
◎メリット・デメリットなど
インデックス投資(パッシブ投資)とは、世界中の株式や債券などに分散投資をして、市場の平均値を得ようとする投資法です。
年金基金や生命保険会社などの機関投資家は当たり前に採用している投資方法なので、間接的には多くの方々がインデックス投資をしているはずです。
長所は、手間がかからない・幅広く分散できる・低コストである・リスクをコントロールしやすい・誰にでも実践できて、素人でもプロと同等かそれ以上の結果を残せる、ってなトコでしょうか。
一方、短所は短期間で大きな利益は期待できない・面白みや刺激が少ない・指数に入っているすべての株式を買うため、ダメな企業の株式なども買い支えてしまう、ってなカンジでしょうか。
◎具体的には
もう少し細かい話をすると、インデックス投資は、代表的な株価指数(インデックス=平均)である日経平均株価やTOPIX、アメリカのNYダウ平均やS&P500などと同じ値動きを目指す投資になります(債券市場などにも色々なインデックスがあります)。
しかし、だからといって、例えば日経平均に含まれるすべての銘柄を個別に購入するわけではなく、それらが全部パッケージ化されたインデックス型の投資信託を購入することで簡単に実践できます(月々500円からの投信自動積み立てに対応している証券会社もあります)。
ポイントは、国内株式・国内債券・外国株式・外国債券などの各資産(アセットクラス)を、どの程度の割合で保有するのかというところでしょう。その保有比率や、そもそも自分の金融資産のうちどれくらいの金額を投資に割り当てるのかなどによって、インデックス投資家も様々なタイプに分かれることになります。
・・と、こんな話を始めてしまうと、ずいぶん難しいことに聞こえるかもしれませんが、例えば、世界中の株式や債券に分散投資をするタイプのバランスファンドに投資をすれば、それだけでも立派な「インデックス投資家」です。
※インデックス投資がマイナーなのは、それを実践するための投資信託が、金融機関にとって儲けの少ない商品だからかもしれません。買い手にとって低コストな良品であるということは、売り手にとっては利幅の少ない商品ということですから・・
◎草食系投資なんて言われてるけど・・
預貯金外にお金の置き場を知らなかった人にとって、株式や債券などの「リスク資産」に投資を行うことはかなりのハードルになると思いますが、その中ではインデックス投資はもっとも草食系で手間のかからないものだといわれています。仕事やプライベートの時間を侵食することなく、簡単に実践できるからでしょう。
過去のデータを見ると、世界中の株式と債券をその時価総額比(最もメジャーな分散度合い)で半分くらいずつ持ち続けていれば、年率平均で6%以上のリターンがあったことも事実です(※2018年4月末の時点で、過去30年間のデータを見た場合)。
ただし、あくまでも長い目で見て平均的にはそのようなリターンがあったということなので、短期的には、投資元本が半分以下になるような事態も起こりえます。積み立て方式で10年以上続けていれば、元本割れする可能性は低いでしょうが、リスク資産に投資を行うならば、そのような(元本割れの)覚悟も必要になってくるでしょう。投資をするからには、ある程度「腹の括り」も必要です。
◎各自にマッチした投資スタンスをみつけましょう
経済や景気の見通しについて、自分よりも明らかにアタマが良くて知識も経験も豊富な識者たちが、それぞれ異なった考え(ときには対極を構え、かつどちらも説得力がある)を持っていることを見ても、将来の不確実性を痛感させられます。
そして、それは同時に、自分の金融資産を預貯金だけで保有していたとしても、絶対に大丈夫だとは言い切れないことにもつながります。
期待リターンがプラスである株式や債券のような様々な性質の資産を持っていれば、何かが儲かっても何かが損するような状況になることもありますが、全体としてみれば下落時のダメージを軽減でき、長期的には利益が出やすいことも学問的に裏づけられています(現代ポートフォリオ理論)。
もちろん、これが唯一の正解ではありませんし、必ず儲かる保証もありません。
ただし、インデックス投資をしていて、30年後に大損しているようであれば、ほとんどの金融機関も破綻して、資本主義も崩壊し、北斗の拳の世界のような状態になっているだろう、くらいには考えています。
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執筆者名:虫とり小僧
ブログ名:いつか子供に伝えたいお金の話
ツイッター名:虫とり小僧(@mushitori)
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