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欧米為替見通し:ドル・円は戻りの鈍い展開か、過度の警戒後退も弱いユーロ・円を意識

注目トピックス 市況・概況
25日の欧米外為市場では、ドル・円は戻りの鈍い展開を予想したい。米朝首脳会談は中止の方向だが、今後の開催への期待感から過度のリスク警戒による円買いは後退する見通し。ただ、ユーロ・円の回復基調は鈍く、ドル・円の値動きにも影響しそうだ。

米ホワイトハウスは、6月12日にシンガポールで予定されていた史上初の米朝首脳会談について、最近の北朝鮮の「怒りとあからさまな敵意」を理由に中止すると発表した。トランプ大統領から金正恩朝鮮労働党委員長にあてた書簡が24日公表された。北朝鮮はそれに先立ち、会談の再考に言及したうえで、米朝の協議が決裂した場合には軍事的な緊張につながると警告していた。会談の中止を受け、前日のNY市場では朝鮮半島の非核化への期待は後退。地政学リスクを意識した円買いが優勢となり、ドル・円は一時109円を割り込んだ。ただ、その後首脳会談は将来開催されるとの観測から円買いは弱まり、本日のアジア市場ではいったん109円後半に値を戻している。

一方、週明け28日は英米が休場となるため今晩の取引は薄商いが見込まれるが、ドルがどこまで回復できるか注目される。経済指標以外では米国の長期金利や株価動向、ユーロ・円の値動きが手がかり。足元はトルコリラの急落で新興国通貨安への警戒から安全資産である米国債にマネーが流入しやすく、米10年債利回りの低下基調が続く可能性はあろう。また、ユーロ・円は前日、昨年8月以来となる127円70銭台に下げ、その後の戻りは鈍い。前日公表された欧州中央銀行(ECB)理事会の議事要旨はハト派的な内容となったほか、イタリアの新政権の反EU的な政策も警戒される。ユーロ・円はなお買いづらく、ドル・円の重しとなるだろう。(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】
・17:00 独・5月IFO企業景況感指数(予想:102.0、4月:102.1)
・17:30 英・1-3月期GDP改定値(前年比予想:+1.2%、速報値:+1.2%)
・17:30 英・4月銀行協会住宅ローン承認件数(予想:37400件、3月:37567件)
・21:30 米・4月耐久財受注速報値(前月比予想:-1.3%、3月:+2.6%)
・22:20 パウエル米FRB議長が討論会出席(スウェーデン中銀主催会議)
・23:00 米・5月ミシガン大学消費者信頼感指数確報値(予想:98.8、速報値:98.8)
・24:45 米ダラス、アトランタ、シカゴの各連銀総裁が討論会出席




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