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欧米為替見通し:ドル・円は伸び悩みか、明日開催のECB理事会に思惑

注目トピックス 市況・概況
13日の欧米外為市場では、ドル・円は伸び悩む展開を予想する。市場の予想通り、米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げを決定し、今後の利上げペースの加速を示唆すれば、ドル買い基調は継続の見通し。ただ、明日開催の欧州中央銀行(ECB)理事会を控え、動向を見極めようとドル買いは限定的となりそうだ。

市場の関心は国際政治から主要中銀の金融政策に移り、今晩の米連邦公開市場委員会(FOMC)にらみの展開。パウエルFRB議長が今後、FOMC後の記者会見を毎回行うとの報道は、FRBの利上げペース加速観測を後押しする。本日のアジア市場で、ドル・円は短期的な抵抗線として意識されていた110円50銭を上抜け、次の節目である111円を目指す展開となっている。なお、ドル・円は今週に入って朝方に上昇するケースが目立ち、市場ではM&A絡みのドル買いとの憶測が広がる。

FRBは日本時間14日3時に声明を発表し、同3時半からパウエル議長が記者会見する。今回の会合で今年2回目となる政策金利の引き上げはほぼ確実視され、金利見通しなどから年内はさらに2回の利上げを実施できるかが焦点となる。前日発表された米国の5月消費者物価指数(CPI)は堅調となり、FRBはタカ派姿勢を堅持するとの見方が強まる。その際、米長期金利が上昇し、ドル買いを誘発しよう。

ただし、明日の欧州中央銀行(ECB)理事会、明日と明後日開催の日銀金融政策決定会合も意識されている。特に、ECBが資産買入れプログラム終了に言及し、引き締め方向に舵を切るとの観測もあり、ドル・円はユーロ・ドルやユーロ・円の値動きに影響を受けやすくなる見通し。一方、主要7カ国首脳会議(G7サミット)における米国と他の参加国との通商政策をめぐる対立は、貿易戦争への懸念を強めており、引き続き円売り抑制要因として警戒されそうだ。(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】
・17:30 英・5月消費者物価指数(前年比予想:+2.4%、4月:+2.4%)
・17:30 英・5月生産者物価指数・産出(前年比予想:+2.9%、4月:+2.7%)
・18:00 ユーロ圏・4月鉱工業生産(前月比予想:-0.7%、3月:+0.5%)
・20:00 米・MBA住宅ローン申請指数(先週)(前回:+4.1%)
・21:30 米・5月生産者物価指数(前月比予想:+0.3%、4月:+0.1%)
・03:00 米連邦公開市場委員会(FOMC)声明発表(政策金利は0.25ポイント引き上げ予想)
・03:30 パウエル米FRB議長会見



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