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欧米為替見通し:ドル・円は戻りの鈍い展開か、米経済指標を材料視

注目トピックス 市況・概況
27日の欧米外為市場では、ドル・円は戻りの鈍い展開を予想する。米連邦準備制度理事会(FRB)の年内利上げペース加速観測を背景としたドル選好地合いは続く見通し。ただ、米経済指標が低調となり、足元の通商摩擦が景気減速につながるとの見方が広がれば、ドル売りの手がかりとなりそうだ。

金融市場で目下最大の注目材料である貿易問題に関し、トランプ米大統領は「非常に順調に前進している」、「貿易に関する不透明感はない」との見解を示しており、保護主義的な通商政策への懸念は強まるばかりだ。米国政府は中国の知的財産侵害への対抗措置として、7月6日から500億ドル相当の中国製品に追加関税を発動する方針で、市場では両国の対応が注目される。アジア市場では、上海総合指数など中国株が弱含む場面で日経平均株価は連れ安となり、リスク回避的な円買いに振れやすい。反面、貿易問題への警戒は根強いものの、米FRB当局者から利上げ継続への前向きな見解を手がかりに、ドルは買い戻されている。

そうしたなか、今晩の海外市場では、米国の5月耐久財受注速報値、5月中古住宅販売成約指数などの経済指標や、クオールズFRB副議長講演など当局者の発言が注目される。米国の景気拡大傾向は足元の経済指標から明らかだが、6月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数や消費者信頼感指数が低下し、一部の指標に通商摩擦の影響が出始めているとの指摘もある。ボスティック米アトランタ連銀総裁は前日の講演で「貿易戦争による混乱が下方リスクにシフトする可能性がある」と述べた。経済指標が低調となり、景気持続への期待が後退すれば、FRBの引き締めシナリオの修正も意識され、ドルは買いづらい展開となりそうだ。(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】
・17:00 ユーロ圏・5月マネーサプライM3(前年比予想:+3.8%、4月:+3.9%)
・17:30 カーニー英中銀総裁会見(金融安定報告)
・20:00 米・MBA住宅ローン申請指数(先週)(前回:+5.1%)
・21:30 米・5月耐久財受注速報値(前月比予想:-1.0%、4月:-1.6%)
・21:30 米・5月卸売在庫速報値(前月比予想:+0.2%、4月:+0.1%)
・23:00 米・5月中古住宅販売成約指数(前月比予想:+0.5%、4月:-1.3%)
・24:00 クオールズ米FRB副議長講演(銀行規制関連会合)
・01:15 ローゼングレン米ボストン連銀総裁講演(倫理と経済)
・02:00 米財務省5年債入札(360億ドル)
・06:00 NZ準備銀行が政策金利発表(1.75%に据え置き予想)






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